- 2007-03-29 (木) 23:59
- ダン・ブラウン
地動説を唱え有罪判決を受けたガリレオ・ガリレイや、同主張により火刑に処せられたジョルダーノ・ブルーノ、宗教裁判を恐れ、強引に「神の存在証明」を展開したルネ・デカルトなどの例を挙げるまでもなく、西洋文明において、キリスト教の及ぼす(悪)影響が、非常に強いことはよく知られていることです。それは今日までも色濃く残っており、日本人の想像をはるかに超えていると思います。『ダ・ヴィンチ・コード』が映画化されたとき、世界各地の教会で上映禁止の運動が行われたというのもその表れではないでしょうか。
この作品を一言で言えば「イエス・キリストも、ただの人間だった」ということになるのでしょうが、現代においてもなお、それは神の名の下にタブーとされているようです。ダン・ブラウンのこの小説が、普通に学会で発表される論文だったら、おそらくここまで有名にはならなかったと思います(そういえば著作権をめぐっての争いもありましたね)。
この作品の面白いところは、歴史上の人物、実在する団体を巧みに取り入れ、フィクションとノンフィクションが渾然一体となっているところではないでしょうか。巷に多くの解説書が出回っているのも頷けます。また、上巻の出だしでは、ルーヴル美術館の内部が詳細に描写され、実際に回廊を歩いているような感覚にとらわれました。そうしている間に作品の世界にどんどん引き込まれ、ダ・ヴィンチの絵画をめぐっての謎解きの旅に出させられるのです。ミステリー仕立てになっているところも、読者の知的好奇心を揺さぶる要素の一つでしょう。
エンターテインメント性を有しながら、隠された歴史の闇を暴いたこの作品は、西欧文化に大きな波紋を投げかけたと言えると思います。21世紀は、キリスト教の認識が宗教から芸術に変わる時代なのかもしれません。
(参考)
ダ・ヴィンチ・コード@映画の森てんこ森
ルネサンス2
なぁ~ご:うぉんばっとの ぽへぽへ日記
interesse Cincinnati office
toutouさんのブログ
YouTubeおもしろ動画集
とみや あつろうさんのブログ
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