- 2007-07-27 (金) 0:00
- ★新書・単行本など
日本人が日本を語るとき、得てして自虐的なものになりがちですが、『国家の品格』
格差社会、少子化問題、学校崩壊……など、暗い面が取り沙汰されることの多い日本に対し、
「ちょっと待っていただきたい。日本は本当にそんなに「駄目な国」なのだろうか。そんなにお先真っ暗なのだろうか」
と問題を投げかけています。決して「反論のための反論」ではなく、具体的な事例を根拠に挙げて、分かりやすい文章で書かれているので素直に読めました。多くの人が漠然と考えているだろうことを、改めて文章で読ませてもらった、という感じです。
中でも「なるほど」と思ったのが「第二章 日本の底力」と「第三章 高齢化を讃える」の章でした。
「ニートも、捨てたもんじゃない」「若者のソフトパワー」
と逆説的な論旨を展開したり、
「「悠々自適」なんて言えるカネのある老人には、しこたまカネを使っていただけばよい。元気のある老人には大いに働いてもらって、活力ある高齢化社会を作っていけばいい。そして、何度も言うけれも、本当に恵まれない人たちは、国が責任を持って支えていく。子供に「いろんな生きかたがある」と教えているのならば、大人も老人も、多様な生き方を示せばいいのである」
と主張するあたりには好感が持てました。平成18年の自由民主党総裁選挙立候補時の遊説で多くの人と接した経験から出た意見なのではないかと思います。麻生さん自身の「私は劣等生だった」との告白も、失礼ながら納得のゆくところです。
後半は、眼は日本だけでなくアジア全体に向けられます。
「クアラルンプールの少女、北京の少年、ハノイの中学生やジャカルタの高校生は、もはやアイドルを、ハリウッドのつくる銀幕だけに求めはしない。新しいファッションのインスピレーションを、パリにだけ求めようとはしなくなった。日本でも、もっぱらブロンドの美男子に夢中になっていた女性が、隣国のスターに金切り声を上げるようになった。それ以前から香港、中国のスターも人気を呼んだ」
などの記述を読むと、心が明るくなります。もちろん、抱えている問題の多さを考えると、楽観視ばかりは出来ないのが現実でしょうが、こういう前向きな姿勢は好きですね。
以下私見ですが、とてつもない日本のエネルギーは、聖徳太子以降、引き継がれてきた仏教的思想によるものが大きいと思います。和する心や無常を観ずる心、礼儀や思いやりを重んじる習慣、自利利他の精神などは、もっと評価されるべきなのではないでしょうか。最近では多くの西洋人も仏教に関心を持ち始めているようですが、アインシュタインやハイデッガーなどの識者はすでにその必要性を主張していたと聞きます。
第一章 アジアの実践的先駆者
第二章 日本の底力
第三章 高齢化を讃える
第四章「格差感」に騙されていないか
第五章 地方は生き返る
第六章 外交の見取り図
第七章 新たなアジア主義―麻生ドクトリン
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どうぞ twitter に引用しちゃってください(^^)ノ
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