ペットの俳句

そのたいぷ はなしされたる いくらかも (つとむ)
つとむの一言:まだまだ

Filed under: ★Blog Pet    charlie432 21:45  Comments (1)

浅沼潤 ~ 指示ができる上司・指図しかできない上司

 ある知人が、職場の人間関係で悩んでいるというので話を聞いてみると、「狡猾で横柄な上司に、しばしば不快な思いをさせられる。物事だけでなく、人に対しても好き嫌いがはげしいので、話をしても素直に聞けない。価値観の相違を認めず、自分のやり方を押し付ける」と息を荒げていました。どこの会社も同じか、と思いつつ、“人の振り見てわが振り直せ”ではありませんが、部下を持つ人も持たない人も、仕事で共同作業をする上は、最低限のコミュニケーションのルールを弁えておきたいものだと反省させられました。  そんな折、書店で書名に惹かれ衝動買いをしたのが本書です。他人を責めるのではなく、自己反省のきっかけともなれば、と備忘録も兼ねて、特に印象に残った箇所を以下に引用しておきます。
 受け取り手がマイナスの感情を持ってしまうのは、上司側に問題がある。一言で表すならば、上司がリーズナブルでないのだ。つまり、理屈が通っていない。道理に合っていない。  すると、部下は理不尽な思いを抱く。納得していないのだ。納得できない仕事は動機が不明瞭な仕事である。懸命になれないのは当然のことだろう。
 毎日のように「今日はこれだ。あれは中止だ。これはああしろ」と、目の前の仕事ばかりを指図していないだろうか?全てに目を配ろうとやっきになり、何もかも自分の判断がなければ仕事が進まないような環境を作っていないだろうか?  これでは、どんなに「努力しろ」と繰り返しても、何をどう努力すればよいのか、部下は分からないままである。
(中略)
 指示を分解すると、指し示す。指図を逆さにすると、図示する。つまり、指示とはある一定の方向を指し示すことに対して、指図とは図に書いた一箇所を指すことなのである。  部下に仕事を任せるときには、まず全体の目標について説明する必要がある。つまり目の前にある仕事ではなく、進むべき方向を示す。
(中略)
 古いタイプの上司に多いのだが、「俺のやり方を見て覚えろ」という姿勢で部下をまとめようとするのには無理がある。会社は組織である。大工のような師弟関係で成り立っているわけではないのだ。
 上に立つ者は、常に自分の後継者を育てなければならない。その時には、必ずこっそり育てる。何かと目をかけ、重要な仕事ばかりを任せるのは賢明ではない。他の部下に「あいつは気に入られている」「えこひいきされている」と中傷を受けるかもしれない。
 私は、体調を管理することはビジネスマンの義務のひとつだと考えている。(中略)いくら体力維持を心がけていても、酷使すれば体は疲れる。疲れがたまると健康を損ねる。そんな時は、いつもとにかく「眠る」ことにしていた。体を休めるのが基本である。
 上から押し付けても良い社風は根付かない。部長がファーストベンダーになるために努力していれば、課長や係長は同じように努力する。その努力を見て他の社員も努力する。そういう流れがどんどん伝播していくのである。歴史と伝統はこうして引き継がれていくのだ。
 仕事に前向きに取り組んでいる人は美しい。他人を引きつける魅力を持っている。常に楽しんで仕事をすること。楽しみを見つけていく工夫をすること。部下は、上司の気力を伺っている。
 カリスマとワンマンに共通するのは、裸の王様になりやすいということだ。
(中略)
 最前線の情報は現場で働いている部下から仕入れなければならないのに、ワンマンは「これはよくない」「これは別のやり方がいい」という反対意見を排除する。そのうち誰も進言してくれなくなり、イエスマンだけが残る。時代からは取り残されていく。  カリスマには間違いがないので初めから進言する人がいない。ワンマンには進言してくれる人がいなくなる、というわけだ。
(中略)
 リーダーシップにはカリスマやワンマンよりも、アンパイアとしての資質が必要なのではないか。(中略)先入観を持たず、あらゆる意見を聞いて是非を決めることがフェアなジャッジにつながる。(中略)フェアなジャッジが部下との信頼関係を築くのであり、部下が自主的についていきたいと思うきっかけとなる。これがリーダーシップではないだろうか。
 自分の地位を意識しすぎて偉そうに振る舞うと相手に嫌な感じを与え、相手もそれ以上話をしてくれなくなる。逆に目線を下げすぎると相手をバカにしているように感じさせることもあるし、自身なさげに見せてしまうこともある。  例えば相手の意見に対して「おお、そうか」ではなく、「ああ、そうなの」と相づちを打つ。上司といえども、人としては対等である。この「人間的には対等」という意識が気配りというものなのだ。
 なぜ上司としての器量が必要なのだろうか。それは、部下の信頼を得るためである。仕事の面でも人格の面でも信頼できない上司ならば、部下の仕事もそれなりのことで終わってしまう。上司を信頼しているからこそ、部下がやる気になるのである。(中略)度量とは、人の言動を受入れようとする姿勢のことである。(中略)器量がある人は、仕事の面でも人格の面でも優れている。しかし、それは日々の積み重ねだ。  仕事で成果を挙げる努力をしているか。部下の話を聞き、現場についてよく理解しようとしているかどうか。上司の態度が、部下が楽しく仕事ができ、仕事に真剣に取り組むポイントになるのである。
 結局、上司のわがままがモラールを低下させてしまっているのである。そして、上の立場に行けば行くほど、わがままを通せる立場になることも忘れてはならない。

Filed under: ★新書・単行本など  タグ: , , , , ,   charlie432 00:00  Comments (2)
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