熊谷久介 ~ 21と22の間のフラッシュ

 パラパラマンガのように、文字が躍っているこの作品は、帯の言葉、カバーに記されている言葉が意味深です。この、哲学的・抽象的な本は会社のアルバイトに来ている子に紹介されたのですが、彼女曰く「すごくシュール。ズキュンきた[emoji:i-261]」とのことです。  タイトルの「21」「22」の意味は分かりませんでしたが、「とまれ」についてどう解釈するかが本書を読み解くカギと言えるのではないかと思いました。「生」と「死」、「明」と「闇」など、相反する概念は、「生死一如」という言葉があるように、切っても切り離せない関係にあるのでしょう。「表裏一体」という言葉もあります。
逆説的自殺防止の書 ここに自殺の道すら断たれた 最早この不安を生きるしかない
と帯にありますが、自殺願望の人が「死」後の世界を、現在と同様に不安を抱えつつ生きねばならないとするならば、「生」が「とまった」としても、自殺の目的は成就しないことになります。ここに「逆説的自殺防止の書」と銘打つ理由があるのかもしれません。もう一つ、帯にある用語説明
flash 名詞 1.暗い所で写真をとるときに使う、瞬間的に強い光を出す装置。また、その光。閃光 2.感情がぱっと浮かんでくること。過ぎ去ること 3.ひらめくこと
monomania 名詞 偏執狂;(1つの事への)異常な執着
とまれ 動詞・命令形 1回転に対する静止の希求
の言葉を借りるとするならば、「生」をとまらせるのではなく、「回転」をとまらせることにより、苦悩からの脱却が実現できる……こういうのを「解脱」と言うのでしょうか?  巻末に「解説」があるのですが、さらにその解説書が欲しいと思った一冊でした。
 ちなみにカバーでは、他には以下の言葉が読者に何かを訴えています。
昼の光に、夜の闇の深さがわかるものか                 ニーチェ

窓をひとつ開けてくれないか、 もっと光が入るように                 ゲーテ 最期の言葉

譬へば千歳の闇室に、光若し暫く至れば、 即ち明朗なるが如し。闇豈室に在ること 千歳にして去らずと言ふことを得ん耶。                 曇鸞大師                   (浄土論註)

Filed under: ★新書・単行本など  タグ: , , , , , , , , , , ,   charlie432 00:00  Comments (2)
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