とどろき ~ 平成19年9月

 今月は「自分らしさ」の自分ってどんなもの?ということですが、改めて「自分とはなんぞや?」と問われると、意外と答えに窮してしまうものです。古歌にも
「知るとのみ 思いながらに 何よりも  知られぬものは おのれなりけり
とあるようですが、我が身知らずは身の振り方を誤る原因にもなり、また滑稽でもあります。
 では、真実の自己を仏教ではどう教えられているか、『大無量寿経』にこう説かれています。
心常念悪(心常に悪を念じ) 口常言悪(口常に悪を言い) 身常行悪(身常に悪を行じ) 曽無一善(かつて一善無し)
 その理由を「十悪」を紹介して説明されていますが、正直なところ、全てががすぐに「なるほど」とは納得できないと思います。ただそれは紙面の都合上仕方のないことで、一つ一つ詳しく説明されればスッキリ理解できるのでしょう。以下、「十悪」とは如何なるものか、まとめてみました。
十悪
意業いごう(心で思うこと) (1)貪欲とんよく…欲の心。「食べたい」「飲みたい」「楽がしたい」「眠たい」「金が欲しい」「物が欲しい」「褒められたい」「認められたい」という心。 (2)瞋恚しんい…欲が妨げられると出てくる、怒りの心。 (3)愚痴…「ねたみ」「そねみ」「恨み」の心。欲を起こしても、起こってみても、とてもかなわぬ相手と知るとわき上がってくる心。
口業くごう(口で言うこと) (4)綺語…心にもないおべっか(お世辞)を言うこと。 (5)両舌…二枚舌ともいわれ、仲の良い間を裂いて、仲悪くすること。 (6)悪口あっこう…中傷、悪口わるくち (7)妄語…事実無根のウソをつくこと。
身業しんごう(身でやること) (8)殺生…生き物を殺すこと。 (9)偸盗ちゅうとう…他人のものを盗むこと。 (10)邪淫…よこしまな男女関係。
 そしてそんな「一生造悪」の私たちが、本当の幸福になるにはどうすればよいのか、それについて釈迦は教えられ、親鸞聖人はそれを『正信偈しょうしんげ』に
一生造悪値弘誓いっしょうぞうあくちぐぜい  至安養界証妙果しあんようかいしょうみょうか」。 (一生悪を造れども弘誓に値いぬれば、安養界に至りて妙果を証せしむ)
と書かれている、とのことです。
 そういえば、『歎異鈔』の「善人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」を思い出しました。

Filed under: ★雑誌  タグ: , , , , , , , , , , , ,   charlie432 00:00  Comments (3)
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