大串亜由美 ~ アサーティブ──「自己主張」の技術

 アサーティブ(assertive)という言葉を辞書で引く「[形]自分の意見[希望・権利など]をはっきり述べる, はきはきした, 積極的に主張する」となっています。奥ゆかしさを美徳とする日本においては、「はきはき」とか「はっきり」述べる、あるいは「自己主張」と聞くと少し悪い印象を与えてしまうかもしれません。場合によっては人間関係を損ねてしまうこともあります。
 しかし、ここで言われている「アサーティブ・コミュニケーション」とは、自分の意見を無理やり相手に押し付けるのではなく、
どちらにもメリットがあり、どちらにも不満・不服・モヤモヤが残らない。だから明日も笑顔で握手が出来る。協調的で発展的な関係を築き、相手から気持ちよく『YES』をもらう
というものです。これにより、相手を不快にさせることなく
したいことを、したいと言う。 してほしいことを、してほしいと言う。 できないことは、できないと言う。 やめてほしいことは、やめてほしいと言う。
ことが出来るのです。
 ではその秘訣はどこにあるのか、すべての基本は、本気の『WIN-WIN』という一文に集約されていると思います。本書では具体的な相手や場面を例に、コミュニケーションの方法が説明されていますが、全ては『WIN-WIN』の関係を目指す発想から来ています。これはつまり、相手だけでなく、ましてや自分だけでもなく、「お互い」を中立的な立場から認め、満足させようという心がけです。
 人間関係において、どちらか一方が辛い思いをしているということはないと思います。ちょうど、いじめる側もいじめられる側も苦しんでいるようなものです。そしてその反対も然り。良好な関係においては相互満足が成り立っているはず。仏教で「自利利他」と説かれている通りです。
 終章は“「Give&Take」から「Give&Given」へ”と見出しがつけられています。「Take」とは“奪う”ということで、これでは「WIN-WIN」の関係にはなりません。与えることに徹してこそ、回りまわって自分に返ってくるのです。  これは特に目新しい考えではなく、紀元前からイソップ寓話などでも教えられている通り、奪うより与えることが幸福への近道と言うことが出来るのではないでしょうか。

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Filed under: ★新書・単行本など  タグ: , , , , , , , , , ,   charlie432 00:00  Comments (2)
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