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市川茂浩 ~ 誰も知らなかったケータイ世代

 仕事柄、一日の大半をパソコンの前で座っておりますので、メールは全てPC、用があれば電話ではなくメールで済ませるので、携帯電話はほとんど使ったことがありませんでした。というか、パソコンさえあればケータイは要らない、解約してもいいかな……なんて思っていました。そんなとき、たまたまこの本を読んだものですから、目からウロコが落ちました。


 パソコンがあるからケータイは不要、というのはおじさんの考え方で、今の若者はケータイさえあれば、パソコン使わなくてもいいじゃんという感覚であると良く分かりました(なんて書いていること自体、自分を「おじさん」と認めているのでしょうが、、、
_│ ̄│○)。


 この本は、自分のようにケータイに全く無知な者にも分かりやすく書かれてあるので、下の引用文を読んで、カルチャーショックを受けられた方は、入門書として一読をお勧めします。なぜ「誰も知らなかった」のか、そしてケータイ世代の現実を知って、どう10代の人たちと付き合えばよいか、今後の展望も見えてくると思います。皮肉なようですが、どうやら、時間が足りなくて困っている人と、時間がありすぎて持て余している人との間に、見えざる断絶があるような感じがします。


 そんな訳で、ちょうどケータイの機種変更をしたのをきっかけに、弟のリーチャー234(18歳)をモバゲータウンにでも送り出してみようかと思っております。見かけましたら気軽にデコメールでも送ってみてくださいませ。


 10代、20代の若者は、パソコンとは疎遠な関係にある(中略)パソコンなど必要としていないのだ。
 携帯電話の利用者数は、数年前から右肩上がりに急上昇し、今では1人1台以上持つ時代になった。
 この急激な普及に一役買ったのは、1979年以降に生まれた若者たちだった。私はこの世代を、under79世代、もしくは「ケータイ世代」と呼んでいる。
 簡単に言ってしまえば、彼らはパソコンの操作を覚えるより先に、携帯電話に慣れてしまった世代だ。
 50代、60代の人に、パソコンを使っている層と、携帯電話を使っている層にも差があるのだ、と言うと驚かれるものだ。50代以上の層には、どちらも同じに見えるのだろう。
 さらに言えば、パソコン世代の人たち自信も、ケータイ世代との間に大きな差が生じていることに、気づいていないのではないかと私は感じている。
(中略)
 こうした時代の流れは、パソコンが登場した頃と似ているのだ。キーボードが打てない世代と、打てる世代の間にはデジタルデバイドがあった。しかもパソコンが使えるかどうかは仕事に直結したため、世の管理職は必死で勉強したものだ。
 そうしてパソコン世代が自分たちこそメジャーだと思っているうちに、今度は携帯電話がメジャーになろうとしている。新たなデバイドがおこっている、というわけだ。
 ものごころついたときにはケータイを手にしていた世代にとって、パソコンでも携帯電話でも同じサービスを利用できるなら、後者を選ぶのは当然だ。
 携帯電話の進化の流れをほかのメディアの進化と比較してみると、メールなどの文字を読んだり待ち受けなどの画像を配信していた時代は、いわば新聞・雑誌の時代に当てはまる。着メロ、着うたは音が出るようになったラジオの時代、新たに迎えた映像の時代は、テレビの時代に当てはまると言えるだろう。
 そして世の中のメディアはテレビ、つまり映像まで進化して、そこで終わっている。映像は、いろいろなものを伝える方法としての最終携帯の一つと言っていい。つまり携帯電話は、他メディアが何十年もかけて進歩してきた過程を、ほんの数年で突き進んできたのだ。
 今、携帯電話のコンテンツビジネスは、映像の時代を迎えている。
 2005年のデータからわかるのは、パソコンからネットをつなぐ人よりも、携帯電話からつなぐ人のほうが実は多いということ。
(中略)
 さらに注目すべきは、2004年と2005年を比較すると、携帯電話からのみインターネットに接続している、つまりiモードなどのキャリアポータルをメインに利用している人が増えているということだ。これに対し、パソコンからのみ接続している人は減っている。
(中略)
 では、なぜ「携帯電話のみ」層が増えたのか。
「410万人」はどこからきたのか。
 彼らは、これまで“ネットにつながっていなかった人たち”なのだ。パソコンも携帯電話も持っておらず、ネットに接続する機会のなかった人たちが、とりあえずケータイからやってみようか……と接続し始めたということだ。
(中略)
 20歳代の人たちは携帯電話からネットに接続しているということを示している。わざわざパソコンを立ち上げるより、携帯電話でことが済むならそっちの方が手っ取り早い――そうして、簡単で使いやすいものへと若者が手段を変えていった結果なのだ。
 このように(中略)ネット利用者がどんどんパソコンから携帯電話へと流れていることを理解してもらえるだろう。
 ここで知っておきたいのは、たとえばNTTドコモにおいて、ここまでの一連が「iモード」というサービスであり、「インターネット」とはあくまで別ものだということ。
 さて、この二つの何が違うのだろうか。
 それは、ネットサーフィンという言葉もあるように、インターネットにはその広がりに限界がなく、リンクをたどれば方々にどこまでもつながっていくのに対して、iモードはメニューリストに掲載されているサイトの外には出られないという点だ。
(中略)
 裏を返せば、携帯電話用のサイトを作っても、iモードのメニューに載らない限り、ユーザーがそこにたどりつくのはかなり難しいということ。
 携帯電話はケータイサイトの中のことを知る為の唯一の手段、と言えるだろう。パソコンやテレビなどほかのメディアを通して、ケータイサイトの内情をうかがい知る術はない。
(中略)
 ところが、GoogleやYahoo!で検索してもひっかからないものは、イコール世の中にはないもの、と思ってしまうのが、パソコンに慣れた現代の大人たちなのだ。
 しかし、そうではない。ないのではなく「見えていない」だけだ。パソコンを妄信しすぎるきらいのあるケータイ世代より上の世代の大人たちは、携帯電話の世界で自分の知らないことが起こっているなどと、到底思い至らないのだ。
 今10代、20代であるケータイ世代は、10年後には20代、30代になり、さらに新たな10代がケータイ世代として仲間入りする。そうして、どんどん層を広げていくケータイ世代が、やがては社会の中心となっていくのは目に見えている。
 ケータイ世代が、上の世代をのみこみつくす日が来るのも時間の問題だ。

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