王舎城の悲劇

closeこの記事は 4 年 1 ヶ月 25 日 前に投稿されたものです。間違いに気づいたらその都度修正していますが、今読んだらおかしな点もあるかもしれません。ご了承ください。
【2010.09.02 追記】 これを書いていたときは分かりませんでしたが、いろいろ調べてみると、これは、浄土真宗の教義を知りたい方にはお勧めできない内容であると判明しました。ただ、芸術作品としては優れた声優、音楽、映像が楽しめると思います。 浄土真宗の教えについて、誤りやすい点が以下に詳説されていますので、是非とも参照してみてください。 ・安心問答(浄土真宗の信心について)21世紀の浄土真宗を考える会飛雲真偽検証
『観無量寿経』というお経に説かれている実話をアニメーション映画にしたものです。
 主人公は、当時インドで勢力を誇っていたマガタ国の王、頻婆娑羅(ビンバシャラ)王の妃・韋提希(イダイケ)夫人。城を王舎城(おうしゃじょう)と言いました。四隣に覇を振るうマガタ国において、権力を意のままに握り、物質的には何も不自由のない2人ではありましたが、子供がいないというのが唯一の悩みでした。
 一般人でも子供がいない悩みを抱えている夫婦はありますが、特に権力者にとって世継がいない不安は大きいようです。深刻に悩んだ彼らは占い師にすがるようになってゆきます。
占師:ビンバシャラ王様。ご心配はいりませぬ。やがてお子様がお生まれになられます。私の見るところ、今奥山で苦行している修行者が、寿命が尽きると同時に、お生まれになることになっております。
 修行者の命はあと5年と聞いたイダイケは、高齢の我が身を案じ、夫をそそのかして修行者殺害を断行します。そして、どうしたことか予言通り身ごもったイダイケではありますが、修行者の最期の呪いの言葉が忘れられず、苦悶の日々が続きます。少しでも安心しようとまたもや占師の所へ行くのですが……
占師:んんっ、これは!凶相がでております。ああ実は……、この太子様、ご両親に大変憾みを持って宿っておられます。成長されると、きっと親を殺されるお方になるでしょう……
 今度は生まれて来る我が子を恐れ、剣の林に産み落とそうとしますが失敗、阿闍世(アジャセ)と名付け、蝶と花よと育てることとなりました。
 ところがこの阿闍世、成長するにつれ異常な凶暴性を露にし、家庭内悲劇へと発展してゆきます。
 これが『王舎城の悲劇』の大まかなあらすじですが、最終的にはハッピーエンドとなります。その転機となるのがお釈迦様との出会いです。
釈尊  人々よ。心の頭を垂れて、我が言葉を聞くがよい。  人は、苦を厭い、幸せを求めている。だが、金を得ても、財を築いても、常に苦しみ、悩んでいる。王や貴族とて、みな同じである。  それはなぜか。苦しみの原因を正しく知らないからである。金や名誉で苦しみはなくならぬ。無ければないで苦しみ、有ればあるで苦しむ。有無同然である。毎日を不安に過ごしている。たとえば、子供のない時は、ないことで苦しみ、子供を欲しがる。しかし、子供があればあったで、その子のために苦しむ。  この苦しみの原因は、どこにあるのか。それは、己の暗い心にある。熱病の者は、どんな山海の珍味も味わえないように、心の暗い人は、どんな幸福も味わえないのだ。  心の闇を解決し、苦しみから脱するには、ただ仏法を聞くよりない。この法を求めよ。心の闇が破れ、真の幸福が獲られるまで。たとえ大宇宙が火の海原になろうとも……
 この王舎城の悲劇は、子供が欲しいという欲の心が発端と言えるでしょう。欲が満たされないことで人は苦しみ、惑い、悪事を働かせ、悪果が返ってくる、そして更に苦しみ悪業を積み重ねる。これを仏教では惑業苦(わくごっく)と教えられます。この悪循環を断ち切るには人間の心の本質を知る必要があります。上のお釈迦様の説法は、『大無量寿経』で明らかにされている有無同然の実態ですが、真の救いは闇の心に光が差し込んだ時に起きるのだと思います。
有無同然
「田有れば田を憂え、宅有れば宅を憂う。牛馬・六畜・奴碑・銭財・衣食・什物、復共に之を憂う」
「田無ければ亦憂いて田有らんことを欲し、宅無ければ亦憂いて宅有らんことを欲す」
「尊となく卑と無く、貧と無く富と無く、少長・男女共に銭財を憂う。有無同じく然り」
(大無量寿経)


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  仏教史上最大の悲劇     ハッピーエンドに転回させた        釈尊の妙手は 何か
詳しいあらすじはこちら    ↓ 『王舎城の悲劇』

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