本間正人・祐川京子 / ほめ言葉ハンドブック

  一般に日本人は、ほめることもほめられることも苦手といわれており、自分も典型的な日本人だなあと常々思っています。  そのことを自覚し始めたのは中学生のとき、英語の授業ででした。「How nice you are!」とほめられたとき、教科書には決まって「Thank you」と答えているのです。「いやいや、そんなことないですよ」という発想しかなかった自分には、衝撃的でした。謙遜こそが美学だと思っていたからです。
 しかし、よくよく胸に手を当ててみると、それは謙遜ではなく、「自分はこれだけ頭の低い人間だ」という自惚れ、偽善以外の何ものでもないことが多いのではないでしょうか。しかも相手の好意を否定していることにもなります。
 以来、なるべく「ありがとう」という言葉を使うよう心がけているのですが、今度は逆に、自分が「ありがとう」と言われる立場に立ったらどうか、考えてみると実に気持ちの良いものです。偽善の押し売りではなく、自然と相手の良いところをほめられる習慣が身についたら素晴らしいと思います。「与える者は与えられる」、お互いが Win-Win の関係を築けるような人格を身に付けたいものです。
 以前この記事を書くにあたり、ブログ開設の動機を思い出していたことがありますが、その時に書き忘れたことで“ほめる力をつけたい”という思いがあります。一水四見という言葉があるように、物事は見方によって良くも悪くもなります。ならば、何事も善意に解釈したほうが断然得だという訳です。
 淀川長治さんの名画解説を観たときは、見習いたいと思わずにおれませんでした。どんな(つまらない)映画でも、必ず良いところを見つけ、ほめておられます。出来るだけ他人の長所を発見してほめるようにするのは、実際にやろうとするとなかなか難しいことです。これもある種の訓練が必要かと思います。
 そんな、ほめるのが苦手な人に、具体的な指南書として本書は役に立つのではないでしょうか。
 一口にほめるといっても相手は様々ですが、
・成績が悪い部下をほめる ・成績が常時トップの人をほめる ・年上の部下をほめる ・年下の上司をほめる ・若手社員(新入社員、20代の部下)をほめる ・非社員(派遣社員、契約社員、パートタイマー)をほめる ・成功している年長者(企業経営者、営業所の所長など)をほめる ・職人気質のスペシャリスト(エンジニア、技能職など)をほめる ・ムードメーカーの人をほめる ・身近にいる人(家族、両親、友達)をほめる
など、多種にわたって書かれており、またほめるポイントも
・相手の行動パターンをほめる ・見た目や外見をほめる ・知能能力の高さをほめる ・優れた人間性、人間関係能力をほめる ・期待と感謝の気持ちでほめる
など、いろいろあります。  一読して損はないと思います。
主な内容
●なぜ相手をほめることができないのか (1)ほめ方を知らないだけではありませんか? (2)ほめられると居心地がよくないのではありませんか? (3)自分のことで精一杯なのではありませんか? (4)ほめると相手がつけあがると思っていませんか? (5)相手より優位に立ちたいと思っていませんか? (6)被害者意識を持っていませんか? (7)個人的な好き嫌いに影響されていませんか?
●ほめ上手になると得をする理由 (1)理解されている実感を相手に与えられる (2)相手の自己信頼、自信もアップ! (3)組織の雰囲気が明るくなる (4)モチベーションがあがる (5)ミスが減る (6)ほめる側のエネルギーが上がる

== 6つの原則と4つの心がけ == ●正しいほめ言葉の六原則 [原則1]事実を、細かく具体的にほめる [原則2]相手にあわせてほめる [原則3]タイミングよくほめる [原則4]先手をとってほめる [原則5]心をこめてほめる [原則6]おだてず媚びずにほめる
[心がけ1]ほめる要素を探す [心がけ2]ほめ方のレパートリーを増やす [心がけ3]力加減をコントロールする [心がけ4]あきらめずに実践する
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