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白夜行(山田孝之・綾瀬はるか:主演、東野圭吾:原作)

 ※ネタバレ防止の為に、一部表現を隠しておきました。マウスでドラッグすれば見れます。




 東野圭吾さんの原作を読んでいたとき、すでにドラマの初回を見損なっていたので、リアルタイムで観るのを避け、今になってようやくDVDを借りて見ました。3日間で集中して6枚を観たのですが、長さ的なことよりも、内容的にかなり重く、脳の体力を消耗しました。


 理系出身の作者らしく、複雑な網の目のように張り巡らされた伏線は緻密に計算され尽くされており、原作は論理的矛盾のないきわめて完成度の高い小説です。よくぞこれをドラマ化したものだと感心しました。元が良いと、映画化・ドラマ化されたときにがっかりすることがよくありますが、これは例外だと思いました。原作の完全な再現には当然至りませんが、非常に感動しました。


 カメラワークや音楽も良かったです。また、殺人、強姦、恐喝、暴力など、小説を読んでいた時は「こんなの映像化できるのか」と思いましたが、本当にされており w(@。@;)w 編集も上手いと思いました。


 実際のところは、賛否あり、視聴率も伸び悩んだようですが、小説をすでに読んでいても別の角度から楽しめるという点で、個人的には非常に良く出来たドラマだと思います。


 まず驚いたのが、


原作の最後の場面からドラマが始まり、最初から犯人を明かすという大胆な見せ方です。ミステリー色が薄れ、被害者の息子と加害者の娘、ではなく、親殺しの重荷を背負った罪深い人間としての物語になっています。これには直木賞作品の『容疑者Xの献身』を想起させられました。


 そこに描き出されているのは、目を背きたくなるような、醜く、汚らしい、穢れた人間の本性で、主人公はウソと犯罪を繰り返しながら、どうにもならない窮地へ追い込まれてゆきます。
ねじれていく論理
正当化される犯罪


罪だけが
重ねられる泥沼に


2人でいると
沈みこんでしまうことに
気づいた
どうか子どもたちに
本当の罰は心と記憶に下されると伝えてください
飲み込んだ罪は魂を蝕み、やがて、その身体さえ
命さえ食い尽くす
どうか、その前に
どうか、親たちに伝えてください
 人的裁きは受けずとも、犯した罪に応じた罰が与えられる「因果応報」の厳粛なる真理が描かれていると思います。当人も、それを分かっておりながら、後には引けない泥沼にはまってゆきます。作中で「生き地獄」と表現されているのが印象に残りました。


 東野圭吾作品は、人間の醜い姿を抉り出す一方で、血の通った温かみのある感情を読者に与えるものが多いように思いますが、このドラマも、ふと「幸福とは何か?」「そこまでして、なぜ生きるのか?」を考えずにおれなくなりました。


 原作にはありませんが、武田鉄矢さん扮する笹垣刑事が『歎異抄』の一節をつぶやく場面がいくつかあります。『歎異抄』といえば、「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」が有名ですが、亮司と雪穂が救われる道があるとすれば、それは親鸞聖人の教えかもしれない、と思いました。


 主題歌は、ドラマ『ガリレオ』また映画『容疑者Xの献身』に出演の、、、


柴咲コウ – 影

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