高森顕徹 / 光に向かって100の花束

closeこの記事は 3 年 10 ヶ月 22 日 前に投稿されたものです。間違いに気づいたらその都度修正していますが、今読んだらおかしな点もあるかもしれません。ご了承ください。
【2010.09.02 追記】 これを書いていたときは知りませんでしたが、最近、以下の投稿を読んで深く考えさせられました。当記事をお読みになる前に下記リンクを是非とも参照してください。 ・高森顕徹著「光に向かって100の花束」は大沼法龍の著作のパクリです: さよなら親鸞会 (注)「親鸞会」とは、この著者が会長をつとめる団体です。
“100以上の、おとぎ話や有益な話を知らなければ、親の資格がない”と、ある教育者は道破する。  おもしろい話の中に、小さい魂に奮発心を喚起させ、不屈の精神を培い、遊惰安逸の妄念を除去して、金剛石を、宝玉に磨きあげるのである。  光に向かって進むものは栄え、闇に向いて走るものは滅ぶ。  有縁の方と、光に向かって、少しでも進みたいと、この小著は努力した。
はじめにより)

“大切な忘れ物を届けに来ました”というフレーズが印象的な、1万年堂出版から『光に向かって』シリーズの1冊目です。  以前にもここで紹介しましたが、2~3ページ程度の小話が100載っており、読みやすいのが特徴です。親や教師が子に読み聞かせるもよし、スランプに陥っている人が壁を乗り越えるきっかけにするもよし、幅広い人々に読まれる本ではないかと思います。学校や職場の朝礼で、1日1話ずつ読み進めているところもあると聞きます。
 続編として『光に向かって123のこころのタネ』『光に向かって心地よい果実』とあり、3部作になっています。心にタネを蒔いて美しい花を咲かせ、素晴らしい果実を実らせようと思っている人にはお薦めかと思います。朗読版CDブックも出ており、目からではなく、耳からも味わうことが出来るのが、多忙の人やや目を休めたい方にはうれしい配慮となっています。朗読者は『タイガーマスク』のミスターXや『水戸黄門』のナレーションでおなじみの柴田秀勝さんと、『赤毛のアン』『家なき子』などに出演の鈴木弘子さんです。
Links: 高森顕徹公式サイト 「高森顕徹」全巻読破チャレンジ中! ツインソウル心と魂の旅 ~光に向かって~ 幸せヂカラをピカピカに磨こう futuremix 光に向かって100の花束を読んで 1万年堂出版 私設ファンクラブ ほこり落とし(光に向かって100の花束を) 本日のおすすめ一品堂 「光に向かって 100の花束」 光に向かって100の花束:高森顕徹(1万年堂出版) 読者の声:光に向かって100の花束:高森顕徹(1万年堂出版)
(1)この柱も痛かったのよ――うるわしき母子
 かつて講演にゆく、車中での出来事である。  ちょうど車内は、空席が多く広々として静かであった。ゆったりとした気持ちで、周囲の座席を独占し、持参した書物を開いた。  どのくらいの時間が、たったであろうか。  読書の疲れと、リズミカルな列車の震動に、つい、ウトウトしはじめたころである。  けたたましい警笛と、鋭い急ブレーキの金属音が、夢心地を破った。  機関手が踏切で、なにか障害物を発見したらしい。  相当のショックで、前のめりになったが、あやうく転倒はまぬがれた。  同時に幼児の、かん高い泣き声がおきる。  ななめ右前の座席に、幼児を連れた若い母親が乗車していたことに気がついた。  たぶん子供に、窓ガラスに額をすりつけるようにして、飛んでゆく車窓の風光を、楽しませていたのであろう。  突然の衝撃に、幼児はその重い頭を強く窓枠にぶつけたようである。子供はなおも激しく、泣き叫んでいる。  けがを案じて立ってはみたが、たいしたこともなさそうなので、ホッとした。  直後に私は、思わぬほのぼのとした、心あたたまる情景に接して、感動したのである。  だいぶん痛みもおさまり、泣きやんだ子供の頭をなでながら、若きその母親は、やさしく子供に諭している。
「坊や、どんなにこそ痛かったでしょう。かわいそうに。お母さんがウンとなでてあげましょうね。でもね坊や、坊やも痛かったでしょうが、この柱も痛かったのよ。お母さんと一緒に、この柱もなでてあげようね」
 こっくりこっくりと、うなずいた子供は、母と一緒になって窓枠をなでているではないか。 「坊や痛かったでしょう。かわいそうに。この柱が悪いのよ。柱をたたいてやろうね」  てっきり、こんな光景を想像していた私は赤面した。  こんなとき、母子ともども柱を打つことによって、子供の腹だちをしずめ、その場をおさめようとするのが、世のつねであるからである。
 なにか人生の苦しみに出会ったとき、苦しみを与えたと思われる相手を探し出し、その相手を責めることによって己を納得させようとする習慣を、知らず知らずのうちに私たちは、子供に植えつけてはいないだろうか、と反省させられた。
 三つ子の魂、百までとやら、母の子に与える影響ほど絶大なものはない。  相手の立場を理解しようとせず、己だけを主張する、我利我利亡者の未来は暗黒の地獄である。  光明輝く浄土に向かう者は、相手も生かし己も生きる、自利利他の大道を進まなければならない。  うるわしきこの母子に、“まことの幸せあれかし”と下車したのであった。

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