★゜・。。・゜゜・。。・゜☆ 2008年09月29日 ☆゜・。。・゜゜・。。・゜★
回文(4)
第1回は普通の回文、第2回はバッハの作品、第3回はモーツァルトの楽譜を見てきましたが、今回は会話の発言単位で「回文」となっている例です。
出典は『ゲーデル、エッシャー、バッハ』の中にある「アキレスと亀の会話」。バッハの「蟹のカノン」が紹介されている章で、そこにはこの他にDNAの二重螺旋構造や間接的自己言及について、そしてゲーデルの字形的数論へと展開するようですが、難しそうながらも面白そうな話題ですね。まだ読んだことないので、いつか読んでみたいと思います。 → 『ゲーデル、エッシャー、バッハ』
なども見ていて楽しいし。
以下、会話が回文となっている「アキレスと亀の会話」です。
出典は『ゲーデル、エッシャー、バッハ』の中にある「アキレスと亀の会話」。バッハの「蟹のカノン」が紹介されている章で、そこにはこの他にDNAの二重螺旋構造や間接的自己言及について、そしてゲーデルの字形的数論へと展開するようですが、難しそうながらも面白そうな話題ですね。まだ読んだことないので、いつか読んでみたいと思います。 → 『ゲーデル、エッシャー、バッハ』
なども見ていて楽しいし。
以下、会話が回文となっている「アキレスと亀の会話」です。
亀: いい日だな、アキ公。 アキレス: まったくだ。 亀: いいところであったよ。 アキレス: ぼくもそう思ったところさ。 亀: それに申し分ない散歩日和だし。このままぶらぶら家まで歩いて帰ろうと思ってね。 アキレス: ほんとかい?歩くのが何よりいいらしいな。 亀: ところできみは近頃ずいぶん溌剌としてるじゃないか、ほんとに。 アキレス: 嬉しいことをいってくれるね。 亀: そうかね。どうだい、葉巻を一本やらないか? アキレス: 君も俗物だなあ。この地域では、オランダびいきはそうとうに趣味が劣るんだぜ、そう思わないかい? 亀: 同調しかねるな、この場合は。しかし趣味といえば、君の大のお気に入りの画家、M・Cエッシャーの『蟹のカノン』、このあいだとある画廊でやっと見たよ。たった一個のテーマ、それ自体が後ろにも前にも進む網の目を、あれほど美しく巧妙に仕上げたのにはまったく感心するね。しかしぼくとしてはバッハのほうがエッシャーより上だという気がいつもするんだ。 アキレス: どうかなあ。しかしひとつ確かなのは、ぼくの趣味の議論に頭を悩ませたりしないということだ。De gustibus non est disputandum. [趣味を論ずること能わざるなり。] 亀: どんなふうなんだい、きみの年頃というのは?ぜんぜん悩みごとがないというのは本当かい? アキレス: 正確に言えば、杞憂(きゆう)がないね。 亀: 同じものだと思うがね。 アキレス: それも庭訓(ていきん)ならの話だが、たいへんな違いさ。 亀: おい、きみはギターを弾くんじゃなかったかい? アキレス: ありゃぼくの友達だよ。あいつはしょっちゅう愚かな真似をするからな。しかしこっちはご免だ、要らんギターにさわるなんてのは!
(突然蟹がどこからかともなく現れ、片方のやや飛び出した黒い目を指さして、興奮しながらやってくる)
蟹: やあ、やあ!どうしているね?元気かい?見えるだろう、このこぶ、この腫れあがり?怒りん坊にちょうだいしたんだ。ふん!こんないい日だってのに。ぶらぶら公園を歩いててさ、イラン生まれのばかでかい男によじのぼったんだ-大熊みたいなやつでね-リュートを奏でてるじゃないか。身の丈3メートルの大男よ、いやまったく。こいつのところにすたこら行って、大空めがけてよじのぼり、やっと膝小僧を叩いて言ってみた。「失礼ながら、だんな、そのリュートの曲はマズルカでしたっけ、マズイナでしたっけ?」ところが、ああ!やつはユーモアのセンスがないときた-これっぽっちもありゃしない-そしてガツン!-やつはおれさまをふり払い、目に一撃くらわせやがるじゃないか!おれさまの性格がそうなら何蟹かまわずカニャローッと怒るところだが、そこはわが種族の由緒ある伝統、おれは後退りした。要するにわれわれは前進するとき後退する。それがわれわれの遺伝子さね、ぐるぐるぐるぐるまわるわけだ。それで思い出した-いつも考えているんだがね、「どっちが先にきたのか-蟹か、遺伝子か?」つまり「どっちがあとからきたのか-遺伝子か蟹か?」おれはいつも、ものごとをぐるぐるまわしてみるんだよ。それがわれわれの遺伝子だな、要するに。われわれは、後退するとき前進する。おっとっとっ!そろそろ行かなくちゃな-なんせこんないい日よりだ。蟹の人生をたたえて歌ってくれん蟹(かに)!ターター!オーレー(現れたときと同じに突然姿をくらます) 亀: ありゃぼくの友達だよ。あいつはしょっちゅう愚かな真似をするからな。しかしこっちはご免だ、イラン・ギターにさわるなんてのは! アキレス: おい、きみはギターを弾くんじゃなかったかい? 亀: それも提琴(ていきん)ならの話だが、たいへんな違いさ。 アキレス: 同じものだと思うがね。 亀: 正確に言えば、弓(きゆう)がないね。 アキレス: どんなふうなんだい、きみの年頃というのは?ぜんぜん悩みごとがないというのは本当かい? 亀: どうかなあ。しかしひとつ確かなのは、ぼくの趣味の議論に頭を悩ませたりしないということだ。De gustibus non est disputandum. [趣味を論ずること能わざるなり。] アキレス: 同調しかねるな、この場合は。しかし趣味といえば、君の大のお気に入りの作曲家、J・Sバッハの『蟹のカノン』、このあいだとあるコンサートでやっと聴いたよ。たった一個のテーマ、それ自体が後ろにも前にも進む網の目を、あれほど美しく巧妙に仕上げたのにはまったく感心するね。しかしぼくとしてはエッシャーのほうがバッハより上だという気がいつもするんだ。 亀: 君も俗物だなあ。この地域では、オランダびいきはそうとうに趣味が劣るんだぜ、そう思わないかい? アキレス: そうかね。どうだい、葉巻を一本やらないか? 亀: 嬉しいことをいってくれるね。 アキレス: ところできみは近頃ずいぶん溌剌としてるじゃないか、ほんとに。 亀: ほんとかい?歩くのが何よりいいらしいな。 アキレス: それに申し分ない散歩日和だし。このままぶらぶら家まで歩いて帰ろうと思ってね。 亀: ぼくもそう思ったところさ。 アキレス: いいところであったよ。 亀: まったくだ。 アキレス: いい日だな、亀公。
関連記事かも?
- 回文(3)
- 回文(2)―蟹のカノン(J.S.バッハ / 音楽の捧げ物)
- ハイドン ~ チェロ協奏曲第1・2番、他
- CHILDREN OF BODOM / Something Wild
- マルチェッロ 他 / オーボエ協奏曲
関連記事は無いと思います。





コメントはまだありません。