手塚治虫 / MW(ムウ)

closeこの記事は 2 年 4 ヶ月 29 日 前に投稿されたものです。間違いに気づいたらその都度修正していますが、今読んだらおかしな点もあるかもしれません。ご了承ください。


ジャングル大帝』も『鉄腕アトム』も、
火の鳥』も『ブラック・ジャック』も『ブッダ』も、
どれも断片的にしか読んだことなく、
実は、通しで全部読んだ手塚作品はこの『MW』(ムウ)が初めてです。

そんな分際で、このようなことを書くのは不遜極まりないですが、
さすがは巨匠!
と言いたくなる衝動を抑えきれず、書いてしまいました。
手塚治虫 / MW(ムウ)
あんたをもっと もっと苦しませてやるぜ 支店長 ウフフフフフフ…
あんたの 苦しむところを もっともっとみたいんだ!

手塚治虫といえば、
青少年に希望や勇気、夢を与える作品の印象が強いですが、
この『MW』は人間のもつ狂気性、悪性をあますところなく描いており、
東野圭吾を思わせるダークな作風に驚きました。
と同時に、グイグイ引き込まれました。

毒ガスによる、無差別大量殺戮事件。

絵の表情もリアルで、漫画を読んでいるというよりは、
まるで映画を見ているような感覚の迫力です。
実際、映画化されており、
まだ見ていませんが、原作を読んだらからには、
是非とも見ておきたいと思わずにおれません。

というか、映画を見た人にこそ、原作はオススメかも知れません。


主人公の結城美知夫は、絵によっては Gackt に似てるかな?
と思いながら読みましたが、映画では玉木宏
実は、以前から Gackt に似ていると思っていたので、ほぉ!と思いました。
玉木宏といえば、『のだめ』の千秋様のイメージが強いですが、
さらにS度が増して、今度は猟奇的犯罪者に。
これはかなりハマリ役ではないかと思います。
頭脳明晰で自信過剰、冷淡で容赦のない残忍性をどう演じているのか、見どころですね。


そして、美知夫と同性愛の関係にあり、
彼の暴走を何とか食い止めようと必死な神父、賀来巌役には、山田孝之
前述した東野圭吾の『白夜行』や『手紙』の演技が素晴らしかったので、
こちらも注目したいところです。



BGMは、荒廃した都会を思わせる、
狡猾で冷酷で、危険な感じのする、こんな曲はどうでしょうか?

あるいはこれとか。



I巻(1巻?)末にある花村萬月の解説を読んでなるほどと思ったことですが、
善と悪、陰と陽、男と女、異常と正常、、、など、二元論に挑戦した作品とも取れますし、
タイトルの「MW」とは、Man と Woman という説があるそうです。


今でさえ、同性愛者に対する偏見は少なからずあるのに、
小学館の「ビッグコミック」1976年9月10日号~1978年1月25日号に連載された当時は、
どのような読まれ方がされたのでしょうか。

性的、暴力的な描写も多く、ついつい『白夜行』と比較したくなります。

手塚治虫 / MW(ムウ)

手塚治虫 / MW(ムウ) 手塚治虫 / MW(ムウ)


最後のこの場面は、ホラー小説のようでもあります。
手塚治虫 / MW(ムウ)



そのなかで、心に残ったのがこのセリフ。
涅槃経の、
僧にして、法を壊つ者あるを視ながら、これを黙視し、更に呵責駆遣せざる者は、この僧は、これ仏法中の怨なり。若し、よく駆遣呵責せば、これ我が真仏弟子なり。
を思わされます。
手塚治虫 / MW(ムウ)
世の中には殺人 汚職 性犯罪 あらゆる悪がはびこっていますが……
私にいわせれば 一番下劣な悪は 犯罪をみながら 目をつぶることですな!!



うむむむむぅ、、、。

本の表紙が美しいです(笑)





【追記】
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