とどろき / 平成21年10月号 – 魅惑の書『歎異抄』

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秋の特集号は

魅惑の書

『歎異抄』

です。
親鸞聖人の肉声を伝える格調高い名文として、
思想家、哲学者、作家をはじめ、
多くの人々に親しまれ、称賛されてきたのが、『歎異抄』とのこと(『歎異鈔』とも)。



●成立したのは、約700年前、鎌倉時代。
●著者は、現在も確証はないが、親鸞聖人の弟子・唯円であろうといわれている。
●書かれた目的は、    親鸞聖人の教えと異なるさまざまな邪説を、聖人のお言葉によって正すため。
●全部で18章。 (1)序文 (2)第1章~第10章……親鸞聖人のお言葉 (3)別序……11章以降の序文 (4)第11章~第18章……1~10章の聖人のお言葉を物差しとして、異説を批判 (5)後序 (6)流罪にまつわる記録……聖人35歳の時に遭われた越後流刑についての記録

というものですが、
その『歎異抄』を称賛する声が、以下のように紹介されています。

■西田幾多郎

西田幾多郎
「いっさいの書物を焼失しても『歎異抄』が残れば我慢できる」 (第二次世界大戦末期、空襲の火災を前に)
《『歎異抄事典』》

■三木清

三木清
「万巻の書の中から、たった一冊を選ぶとしたら、『歎異抄』をとる」
《『歎異抄事典』》

■倉田百三

倉田百三
「歎異抄よりも求心的な書物は恐らく世界にあるまい。(中略)文章も日本文として実に名文だ。国宝と云っていい」
《『一枚起請文・歎異抄 法然と親鸞の信仰』》

■ハイデガー

ハイデガー
「今日、英訳を通じてはじめて東洋の聖者親鸞の歎異抄を読んだ。弥陀の五劫思惟の願を案ずるにひとえに親鸞一人がためなりけりとは、何んと透徹した態度だろう。 もし十年前にこんな素晴しい聖者が東洋にあったことを知ったら、自分はギリシャ・ラテン語の勉強もしなかった。日本語を学び、聖者の話しを聞いて、世界中に拡めることを生きがいにしたであろう」
《『中外日報』昭和38年8月6日》

■司馬遼太郎

司馬遼太郎
「死んだらどうなるかが、わかりませんでした。  人に聞いてもよくわかりません。  仕方がないので本屋に行きまして、親鸞聖人の話を弟子がまとめた『歎異抄』を買いました。非常にわかりやすい文章で、読んでみると真実のにおいがするのですね。  人の話でも本を読んでも、空気が漏れているような感じがして、何かうそだなと思うことがあります。『歎異抄』にはそれがありませんでした。(中略)  ここは親鸞聖人にだまされてもいいやという気になって、これでいこうと思ったのです。兵隊となってからは肌見離さず持っていて、暇さえあれば読んでいました。  私は死亡率が高い戦車隊に取られましたから、どうせ死ぬだろうと思っていました」
《『司馬遼太郎全講演第1巻』》


「無人島に一冊の本を持っていくとしたら『歎異抄』だ」
《『週刊朝日』平成8年11月1日号》


ところがその『歎異抄』
実は、現在のように広く世に知られるようになって、
まだ100年もたっていないのです。
蓮如上人は
「右この聖教は、当流大事の聖教たるなり。無宿善の機に於ては左右無く之を許すべからざるものなり。釈蓮如」
"この『歎異抄』は浄土真宗の大事な聖教である。仏縁浅き人には、誰彼となく拝読させてはならぬものである"
と仰っており、
真宗の人々にもその存在を知られていなかったといいます。

なぜ、読ませてはならないと言われたかというと、
『歎異抄』には、
親鸞聖人の教えを正しく知って読まねば、とんでもない誤解をする部分が多くあるからです。

大人には重宝なカミソリも、
使い方の分からない子供に持たせると、自分や他人を傷つける危険なものになるようなもので、
『歎異抄』は、「カミソリ」聖教とも言われます。

そこで、『歎異抄』を正しく読むには、親鸞聖人の教えを正しく知らねばならないのですが、
それにはどうするか?
親鸞聖人90年の教えのすべては、主著『教行信証』に書かれていますので、
まず、『教行信証』を読むことが大事だということです。

『教行信証』を読み、
親鸞聖人の教えを正しく理解して、
初めて、『歎異抄』の真意を誤りなく読むことが出来る。


そういう書物が『歎異抄』だ、ということが分かりました。

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