【本】メルヴィル / 白鯨(モビー・ディック)

closeこの記事は 1 年 11 ヶ月 9 日 前に投稿されたものです。間違いに気づいたらその都度修正していますが、今読んだらおかしな点もあるかもしれません。ご了承ください。
原作ではなく、マンガ版を読みました。マンガだと1時間足らずで読めましたが、原作は非常~~~に読むのが苦痛だそうです。難解だとか、疲れた、とか。人によりけりですが。生物学的な薀蓄が詳しく書かれていて、まるで学術論文みたいだという感想も見受けられます。

ということで、マンガ版しか読んでいないのですが、海洋冒険小説としてはなかなか面白いと思いました。

モビー・ディックといわれる凶暴な白鯨に片足を奪われ、復習に燃えるピークォド号の船長エイハブ。船長の危険な捕鯨を諌める一等航海士スターバック。その他、クィクェグ、スタッブ、フラスクなどを主な登場人物とし、イシュメルを語り手として、海上でのドラマが、最後モビー・ディックと対決するところまで描かれています。

印象に残ったのは、

イシュメル:
俺はコロンブスやキャプテンクックに憧れて海に出ました。彼らはたくさんの発見と挑戦をして、人々の賞賛と栄光を手に入れた…でも、鯨捕りには賞賛も栄光もない。死ぬほどの危険を冒しても。

スターバック:
銛打ちのタシュテゴと話したことは?彼はネイティブアメリカン。インディアンだ。彼らは先祖代々アメリカ大陸に住んでいた。「新大陸」と呼ばれたアメリカにな。わかるか?彼にとってコロンブスは称えるような偉人ではない。先祖の土地を奪った侵略者だ。コロンブスの偉業は俺もすばらしいと思っている。だが、賞賛や栄光に価値などない。
俺たちがとった油でたくさんの明かりがともる。俺たちがともしているんだ。俺たちの仕事はそういう仕事だ。栄光や賞賛がなくとも、俺はこの仕事に誇りを持ってる。誇りが勇気を与えてくれる。誇りのために闘うんだ。それでいいんだよ、海の男は!

(中略)

エイハブ船長:
やらねばならんことがある。白鯨だ!!モビー・ディックの息の根をこの手で止めるのだ!!

スターバック:
白鯨!!エイハブ船長、あなたはまだヤツを…

エイハブ船長:
どうした?白鯨が怖いのか?

スターバック:
私がこの船に乗っているのは、あなたの復讐のためではありません。鯨を捕らえ一樽でも多くの油をとり、人々の生活を明るく照らすためです。それが我々の仕事であり、使命でしょう?復讐のために鯨を殺すのは間違ってます。もの言わぬ鯨を憎むなど、神の怒りにふれますよ?

エイハブ船長:
…神だと?神は我々の命をもてあそび、侮辱しているのだ。人の小さな身体は海の上で余りに無力だ!小さな鳥でさえ空を舞う翼をもち、魚たちさえ海を自由に泳げるというのに。

スターバック:
だからこそ人は智恵を勇気をふり絞るのです。

エイハブ船長:
そうだ…だがしかし!どんなに鋭く鍛えた銛でも、白鯨をつらぬくことはできない。鯨捕りにとってこれほどの屈辱はない…!神は我々をあざ笑っているのだ!人に死の恐怖を植えつけ、命に縛りつける。俺には見えるぞ!白鯨の目を通して、俺をあざ笑っていやがる!俺から片足を奪っただけではあきたらず、誇りをもむしりとっていったのだ!許しはせん。白鯨を殺し、取り戻すのだ…誇りを!

スターバック:
神よ…お許しください。

エイハブ船長:
神を恐れるな、スターバック。

スターバック:
あなたはご自身を恐れるべきです。エイハブ船長。

という場面です。



作品の解釈については
この作品は象徴性に富み、モービー・ディックは悪の象徴、エイハブ船長は多種多様な人種を統率した人間の善の象徴、作品の背後にある広大な海を人生に例えるのが一般的な解釈だが、サマセット・モームは逆に、全身が純白で大自然の中に生きるモービィ・ディックこそが善であり、憎しみに駆られるエイハブが悪の象徴であると解釈している。(Wikipediaより)
とありますが、そのほかにも、崇高な理念のために生きるのか、個人的な怒りや呪い・憎しみに動かされてしまうのか、組織におけるリーダーとしての資質も問われているような気もしました。企業にせよその他の団体にせよ、一部の上層部が物欲にくらんで暴走し、破滅へ向かう例をたまに聞きますが、その姿と重ね合わせて読まずにおれませんでした。


自然対人間という観点からすれば、モビー・ディックが善で、エイハブが悪というサマセット・モーム的な解釈に賛同します。そして、人間がどんなに大自然に立ち向かおうとも、所詮は微力な存在でしかないのだから、我々は自然の中で生かされている自覚を持ち、対立ではなく共生をめざすことが大切なのではないかと思いました。


ちなみに、コーヒー店の「スターバックス」は登場人物のスターバックからきているそうです。



【BGM】

Led Zeppelin – Moby Dick





関連記事かも?

  1. 明橋大二 / 『なぜ生きる』『10代からの子育てハッピーアドバイス』
  2. iPhone日記(11)/ iPhone 3.0 にヴァージョンアップ!
  3. 【名盤】QUEENSRŸCHE / Operation:mindcrime (1)~(3)
  4. 【写真・動画】御堂筋kappo2010 / 【法話】仏さまの仲間に入る 於:本願寺津村別院 2010.10.10
  5. 【用語】備忘録 4/8,9 (3)

関連記事は無いと思います。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

コメントはまだありません »

コメントはまだありません。

コメントする





(一部のHTMLタグを使うことができます。)

    2010年3月
    « 2月   4月 »
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    293031