二種深信は矛盾ではない、ということ

closeこの記事は 1 年 1 ヶ月 21 日 前に投稿されたものです。間違いに気づいたらその都度修正していますが、今読んだらおかしな点もあるかもしれません。ご了承ください。
二種深信は「矛盾した二つのことが同時に知らされる」ことではありません」を読んで。

二種深信とは、機の深信と法の深信で、
一つには、決定して深く、自身は現にこれ罪悪生死の凡夫、曠劫よりこのかたつねに没し、つねに流転して、出離の縁あることなしと信ず。 二つには、決定して深く、かの阿弥陀仏の四十八願は衆生を摂受して、疑なく慮りなくかの願力に乗じて、さだめて往生を得と信ず。(教行信証信巻より・浄土真宗聖典(註釈版)P218)
とあります。

西田幾多郎の「絶対矛盾的自己同一」という言葉もあるように、それまで、相反することが同時にハッキリすると理解しており、人智を超えた崇高な世界で(それには違いないと思うのですが)、今ひとつ「先に進んだら分かるだろう」という気持ちがありました。

一方、紹介したエントリーのように「捨自帰他」という説明の仕方は分かりやすいと思いました。未来のことではなく、今の問題としてとらえられる気がします。

ポイントは、「機の深信」と「罪悪観」の違いにあるのではないでしょうか。
機の深信は、地獄行きの自分の姿がハッキリ知らされることではなく、ただ今の自分、また過去に自分がやってきた行為(今までやってきた功徳、聞法、自力の念仏)は、生死を離れるためには全く役に立たないと知らされることです。別の言葉で、自力無功といいます。


この補足の元となるエントリーには
機の深信とはなにかといえば、「罪悪生死の凡夫」とハッキリ自覚することではありません。またそれだけではご文の一部分だけになってしまいます。

大事な部分は「出離の縁あることなし」です。

自らには生死を離れるだけの善根をもちあわせていないので(出離の縁有ることなし)、自らの善根をたのむ自力の心を捨てたというのが機の深信です。

なぜ「出離の縁有ることなし」なのかといえば、自ら生死を離れるほどの善根を持ち合わせていないからです。罪悪生死の凡夫だから生死を離れるほどの善根を現在持ち合わせていませんし、また未来もそんな善根を持つことはありませんが、「罪悪生死の凡夫」を自覚するだけでは、機の深信とはいえません。

善導大師は別のところでは「罪悪生死の凡夫」の部分を「善根薄少」と言われています。

「罪悪生死の凡夫」も「善根薄少」も私の姿です。しかし、そう自覚するだけでは罪悪観です。

「罪悪生死の凡夫」であり「善根薄少」だから「出離の縁有ることなし」「三界に流転して火宅を出でず」なのが私です。そうなると、生死を離れるために自らの善根を往生の足しにしようとか、自らの考えをたのみにする自力の心を捨てるということです。

このように自分の持ち合わせている善根(罪悪生死の凡夫ならなおさらありませんが)では生死を離れることが出来ないと、自らの善根をたのむ心(自力の心)を捨てたことを機の深信といいます。

「地獄行き間違いない自己の自覚」が機の深信ではありません。
とあります。

それまで、二種深信がたつとは、驚天動地の体験だと思っていましたが、これを読むと必ずしもそうではないということが知らされます。

自力を捨てることと他力に帰することは、表現上別の言葉ですが、同じ事をいわれています。自力を捨てたということは他力に帰したということです。他力に帰したということは、自力を捨てたということです。

また、自力無功と知らされたと言うことは、他力全託したということです。

文字で書けば二つあっても、二つの別のものがあるのでも、矛盾したものが同時にあるいは、順番に起きることでもありません。

二種深信といっても二種類の別々の深信があるのではありません。他力信心を二種深信というのですから、一つのことをいわれてたお言葉です。

前日のエントリーに関連していえば、矛盾した二つのことがおきるのではないので、驚天動地の体験ともなりません。

まとめ

最後に図にしてみました。

二種深信-捨機即託法捨自即帰他
機の深信自力無功捨機捨自
法の深信他力全託託法帰他
  • 機の深信と法の深信は矛盾したことをいわれているのではありません。
    • 自力を捨てる(機の深信)ままが他力に帰したこと(法の深信)になるため。
  • 二種深信は、二つのものが同時に起きることではありません。
  • 二種深信は、二つのものが順番に起きるのでもありません。
    • 機の深信が立ってから法の深信が立つということはありません。
    • 機の深信だけ立ったとか、法の深信だけ立ったということもありません。





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