夢野久作 / ドグラ・マグラ

「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」と言われている夢野久作の『ドグラ・マグラ』のマンガ版。コアなファンからすれば原作以外は勧められない、歯がゆい、という思いになるのでしょうが、ざっくりあらすじを知りたい人には手頃で分かりやすいので、入門編としては良いと思います。

そう割り切って読めば、まんがで読破シリーズの編集力にはつくづく感心させられるものがありますし、余計な自己主張を抑えながらもインパクトの強いバラエティ・アートワークスの絵も非常に好きなので、面白く読むことが出来ました。

古典文学の漫画化に世界が注目! 『まんがで読破』 編集者 圓尾公佑さん -- 2009/07/03 -- 特選 漫画人インタビュー -- 漫画大目録

夢野 久作 / ドグラ・マグラ(まんがで読破)


先祖代々伝わる呉家の狂気の血筋、「心理遺伝」を提唱する精神科学者・正木教授、記憶喪失の私、その私の記憶を蘇らせようと取りはからう若林教授らが関わる複雑奇怪な事件。コンパクトにまとまったマンガからも難解な作品であることが窺えます。

「ドグラ・マグラ」とは切支丹バテレンの呪術を指す九州地方の方言という説があるようです。前回書いたミルトンの『失楽園』では、アダムとイヴの原罪が子孫に伝わるというキリスト教義に基づかれていますが、先祖の記憶が受け継がれるという正木教授の「胎児の夢」の考え方はキリスト教の影響を受けているのかもしれません。

あるいは一方で、この世の栄華を誇るがごとき美女が腐り崩れてゆく空しさ・儚さを絵巻物に描き、楊貴妃に心酔する玄宗皇帝を改心させようとした、呉家の先祖・呉青秀のエピソードは諸行無常を教える仏教説話にも通じるものがあるとも感じました。縁に触れると人間の奥底に潜む狂気が発症する点も然りです。

夢野 久作 / ドグラ・マグラ(まんがで読破)


構想・執筆に10年以上の歳月をかけて刊行され、「内容が複雑なため読者は最低二度以上の再読を余儀なくされる」と言われる『ドグラ・マグラ』はすでに著作権が消滅しており、青空文庫に公開されていますので、ダウンロードしてみました。「佐々木俊尚 / 電子書籍の衝撃」でも書きましたが、紀伊国屋の無料アプリを使うとiPhoneでも読みやすいので、日本異端文学の三大奇書の一つとも言われる難解なこの『ドグラ・マグラ』の原作に、改めて挑戦してみたいと思います。その時は、精神に異常を来すくらい読破できたら良いのですが、、、。

夢野 久作 / ドグラ・マグラ










Filed under: 未分類     7:00 AM  Comments (0)

ミルトン / 失楽園

渡辺淳一氏の小説ではなく、前回書いたダンテの『神曲』と並んでキリスト教文学の代表とされるジョン・ミルトンの叙事詩。のマンガ版。

キリスト教信仰はないので、アダムとイヴの原罪を人類が受け継ぐという思想には賛同しかねますが、物語としては面白く読めました。バラエティ・アートワークスの劇画チックな絵も、いつもながら楽しめます。

私はクリスチャンではなく浄土真宗に帰依していますので、強引かもしれませんが、仏教的に解釈を試みてみますと、、、

『観無量寿経』に出てくる「王舎城の悲劇」は韋提希夫人、頻婆娑羅王、阿闍世太子、提婆達多などの煩悩(欲・怒り・愚痴など)が繰りなすドラマですが、「失楽園」も堕天使ルシファー(マンガでは「サタン」で統一)の「愚痴」から始まります。

同時に、神の怒りがなければ反逆者が地獄に堕ちることはありませんでした。「怒り」も煩悩の一つですが、キリスト教では神も煩悩を持つ、ということになるのでしょうか。ちなみに仏教における反逆の罪「五逆罪」も"無間業"といって地獄に堕ちると説かれていますが、これは自業自得による結果です。
御子を信ずる者は永遠の生命をもち、御子に從はぬ者は生命を見ず、反って神の怒その上に止るなり。
(ヨハネ3:36, 文語訳聖書)
というのは、不義をもって真理をはばんでいる人々のあらゆる不敬虔と不正に対して、神の怒りが天から啓示されているからです。
(ローマ1:18, 新改訳聖書)
そのような者は、神の怒りの杯に混ぜ物なしに注がれた神の怒りのぶどう酒を飲む。また、聖なる御使いたちと小羊との前で、火と硫黄とで苦しめられる。
(黙示録14:10, 新改訳聖書)
神もサタンも人間も、親鸞聖人から見れば
凡夫といふは、無明煩悩われらが身にみちみちて欲も多く、いかり、はらだち、そねみ、ねたむこころ多くひまなくして、臨終の一念にいたるまでとどまらず、きえずたえず
(親鸞聖人『一念多念証文』)
と言われている「凡夫」に皆等しい、ということになるのでしょう。実際、どんな人にもサタンの心が住み、誰もが神という名の偽善者、そしてアダムやイヴのような弱い者になり得るのが私たちではないかと思います。

これら煩悩具足の凡夫を漏れることなく無条件に救う「誓願」があれば、楽園追放の悲劇も
大聖おのおのもろともに 凡愚底下のつみひとを
逆悪もらさぬ誓願に 方便引入せしめけり
(親鸞聖人『浄土和讃』)
といわれるところの「方便」と見ることができるのかも知れません。

では、神の子であるイエスが人類の救世主(メシア)となり得たのか。それについては前述した「(キリスト教の)神もまた凡夫」という前提で論じるならば、その子もまた凡夫であるか、あるいはメシヤならば神を超えた存在ということになってしまいます。素晴らしい立派な人だったのかも知れませんが、さすがのイエスもそこまでは力及ばなかったのではないでしょうか。

神は自由・安住と引き換えに、自身への「絶対服従」を人間に強います。一方親鸞聖人は
ものの逃ぐるを追おわえとるなり
と、服従どころか仏の願いに背きどおしなのが私たちであり、そんな衆生を追いかけて下さるのか仏様だ、と仰っています。「我を信じさせる。必ず救ってみせる」という他力のご法義と「我を信じよ。そうすれば救われる」ということは、完全に向きが逆です。

話はそれますが「浄土真宗」と名乗りながら会長への無条件服従を強要し、それに反する人を除名にする会があると聞きます。その集まりは果たして浄土真宗と言っても良いのだろうか、と甚だ疑問であります。どちらかといキリスト教的な考え方に近いのではないでしょうか。といえどもキリスト教でもないので、ある人はそれらの人々を「信仰の奇形児」とか「ハイブリッド新宗教」と揶揄していました。

『失楽園』に戻り、マンガでは、蛇の姿に変身した堕天使ルシファーにイヴはいとも簡単にそそのかされてしまいます。それまで、楽園で平和に暮らしていたアダムとイヴが、神の掟を守り智慧の実を食べなかったのは、誘惑の縁が少なかったからなのでしょう。
さるべき業縁のもよほさば、いかなるふるまひもすべし。
(『歎異抄』第13章)
絶対服従を説く教えに適う人は、果たしてどれだけいるのでしょうか。



ところで、この『失楽園』。BGMはなんといってもこれ!



ジャケットを開くとこうなります(クリックで拡大)

SYMPHONY X / Paradise Lost


物語を思い浮かべながら聴くと、改めて味わい深い作品だと思います。
PVも地獄と楽園のセットを設け、見応えのある映像となっています。
そして、マイケル・ロメオのギターもさることながら、ラッセル・アレンのヴォーカルの実に上手いこと!

ミルトン / 失楽園 (まんがで読破 96)



SYMPHONY X - Set The World On Fire


http://www.youtube.com/watch?v=cG8orlq6_yE


ミルトン / 失楽園 (まんがで読破 96)

SYMPHONY X - Serpents Kiss


http://www.youtube.com/watch?v=V8gA1ooxw0I


ミルトン / 失楽園 (まんがで読破 96)

Symphony X-Paradise Lost


http://www.youtube.com/watch?v=Vv0u8MBbMGg





Filed under: 未分類     12:00 AM  Comments (0)

ダンテ / 神曲

音楽、絵画、文学、語学、、、さまざまな分野に影響を与えたダンテの『神曲』。一度は読んでみたいと思っていましたが、結局最初に手を出したのはイーストプレスの『まんがで読破シリーズ』でした(「青空文庫」で読もうともしましたが、途中で挫折^^;)。

トスカーナ方言で書かれた『新曲』は現代イタリア語の基礎となったそうで、全14,233行の韻文による長編叙事詩。聖数「3」と完全数「10」を基調とした構成となっており(『神曲』の構成)、本来は原書を味わうのが良いのだと思いますが、とりあえず手っ取り早くあらすじを知るだけでもなかなか面白いと思いました。

暗い森の中に迷い込んだダンテは古代ローマの詩人ウェルギリウスの案内により地獄、煉獄を通過し、さらに煉獄の山頂で再開した亡き恋人のベアトリーチェに導かれて天国へ天昇するというもの。浄土真宗の立場からすると、源信僧都の『往生要集』あるいは、「倶会一処」と説く『阿弥陀経』と比べたくなります。

何れにしても死後というものを前提としたものの見方で、死があってこそ生に価値があることを知るきっかけになれば、より味わい深い人生を送ることが出来るのではないかと思いました。

さて、ダンテの描いた世界観とはいかなるものか。以前読んだ『ポアンカレ予想を解いた数学者』という本の第4章「宇宙の形」に興味深い解説があったので引用します。
 多くの学者が、イタリアを代表する詩人で作家のダンテ・アリギエーリ(1265〜1321年)が『神曲』を書いたときに想像した宇宙は、間違いなく3-球面だと主張している(もちろんダンテが宇宙の形を3-球面と呼んだ訳ではない)。『天国篇』に描かれたダンテは、地球の中心にある地獄から這い上がって、さまざまな惑星の住み家である同じ中心を持つ球面上の殻を次々と通って地表に達した後、さらに恒星が住む球面上の殻を通過して、第九天すなわち原動天(プリミウム・モビーレ)に達する。原動天の頂きで、ダンテは恋人のベアトリーチェと共にいま縦断したばかりの宇宙の半分をのぞき込み、もう一方の天の半宇宙を仰ぎ見る。天の半宇宙は、天使たち、大天使たち、さらに高位の天使たちが住む、同じ中心を持つ数々の球面状の殻の端にある2次元球面は宇宙の赤道に相当し、そこからダンテとベアトリーチェは宇宙を見渡す。地球(および地球の中心にある地獄)が宇宙の一方の極にあり、もう一方の極には熾天使の天球がある。

(図19)
 図19に描かれた半宇宙は、中が見えるように円錐形の切り込みを入れた球を上からのぞき込んだところを表している。左側の球の中心には地球があり、右側の球の中心には熾天使の天球がある。ダンテとベアトリーチェが天の半宇宙を見上げているところを描いたギュスターヴ・ドレの美しい版画がある(図20)。この絵の中心には、はるか彼方の熾天使の天球が見える。残念ながら、このスケッチは正確さに欠ける。ドレは、天使の殻を、同じ中心を持つ球面状の殻ではなく、リングとして描いている。ダンテとベアトリーチェが球の中心の明るい天球を頂点とする円錐形の切り込みをのぞき込んでいて、天使のリングが中心を切り取った後に残った球面状の殻の縁だと解釈すれば、この絵でも辻褄が合う。その場合は、球面状の殻が画面の奥に向かって幾重にも重なっており、その背後に光り輝く中心が存在することになる。

(図20)
著者のドナル・オシア氏は米国・マウントホリオーク大学の数学科教授で、「高次元空間における特異点に関する幾何学」が専門と紹介されています。難しくて理解できない本だった、というのが正直なところですが、ダンテの頭の中には高次元空間における天国が描かれていたのでしょうか。


ところでそもそも、私が『神曲』に興味を持ったのは、リストのピアノ曲で最も好きな「巡礼の年 第2年イタリア」の中にあるこの曲がきっかけでした(一番好きなのは1曲目の「婚礼」ですが)。

リスト/ダンテを読んで ―ソナタ風幻想曲


http://www.youtube.com/watch?v=s_vEWkdiFaQ
これは、義弟と恋に落ち、夫にその不倫がばれて殺害されるというフランチェスコカ・ダ・リミニの物語を曲にしたもので、フランチェスカは『地獄篇』に登場します。

「フランチェスコカ・ダ・リミニ」といえば、チャイコフスキーを思い出します。





他になじみ深いものとしては、SCORPIONSの「The Sails Of Charon」。これも『地獄篇』に出て来ます。
ダンテ / 神曲(まんがで読破)

ダンテ / 神曲(まんがで読破)

ダンテ / 神曲(まんがで読破)

ダンテ / 神曲(まんがで読破)


Scorpions - The Sails Of Charon


http://www.youtube.com/watch?v=0jCd9vg3BDw



絵画ではミケランジェロ「最後の審判」が有名ですが、ロダンの彫刻『考える人』もそもそもは地獄篇第三歌より着想された「地獄の門」を構成する群像の一人(恐らくはダンテ自身)として作られたものだとは知りませんでした。

Michelangelo / Fresco of the Last Judgement

Michelangelo / Fresco of the Last Judgement


Rodin / The Thinker

Rodin / The Thinker





ダンテの『神曲』について調べだしたら際限がありませんが、最後に。
私にとっての「神曲」(かみきょく)はこれ↓。昨年ロンドンでこの動画のライヴを最前列で観たときは、曲、演奏、音響、舞台演出、、、会場であるヴィクトリア・パークの天候に至るまで、すべてが神レベルで、それこそ天にも昇る気持ちでした。

Dream Theater - Learning To Live


http://www.youtube.com/watch?v=my6ydGWxFhI




Filed under: 未分類     12:00 AM  Comments (1)

堀江貴文 / 刑務所なう。

ネットショッピングサイトの電子書籍カテゴリを回っていたらたまたま目につき、「立ち読み」版の目次と、西アズナブルさんのマンガが面白かったので衝動買いしました。もともとホリエモンは(傲慢な態度以外は)結構好きだったということもありますが、思っていた以上に面白かったです。

刑務所での執筆ということで、検閲が入るから当然といえば当然かもしれませんが、素直に反省して粛々と服役生活を送っている様子が伝わってきて好印象を受けました(異論・反論、大いにあるとは思いますが)。悪く言えば能天気にそつなく、良く言えば前向きで勤勉に更正プログラムに従っている様子が目に浮かぶようです。いわゆる「ノマド」な人種は環境への適応能力が高いのだと思います。そして考えることを放棄しないタイプなので忙しそうです。

体重と運動・食事のメニューが逐一報告されており、昨年の6月20日(月)には95.7kgあった体重が、12月30日(金)には72.4kgにまで減っています。私自身は痩せすぎで困っているのですが、本書を読む時は数値の変化に一喜一憂してしまいました。60kg代までいったら結構イケメンになるのでは?と。

人と接することができないこと、リアルタイムの情報を得られないことに苦痛を感じているようですが、時事ネタは自分よりも詳しいくらいで(苦笑)、また多くの仲間に支えられていることがよく分かります。2ちゃんねるの元管理人・西村博之氏に「なんだかんだいって、ムショ生活たのしんでますね」といじられると「楽しんでねーし!!」と答えていますが、少なくとも2ちゃんに匿名で悪口を書いて自慰行為をしている人よりは充実しているのではないでしょうか。

そういえば悪口なのかどうかは分かりませんが、ネット上での書評で「上から目線がムカつく」という感想があり、しかもその「参考になった」率が高いのが意外です。中にはホリエモンにではなくメルマガ担当者に対しても。ほとんどそんなことは感じられなかったので、自分も含め色々な人がいるものだと思いました。私はむしろ、友人から来たメールに「わはは、そうだよね〜」と返信したくなるような親近感を感じたものです。

収監生活後に偉業を成した芸術家、科学者、思想家、宗教家は皆無ではありませんが、ホリエモンもきっと出所後、何か大きなことをやらかしてくれるに違いないと今からその日を楽しみにしています。その頃はiPhone5も出ていることでしょう。その時はくれぐれも足を引っ張るような敵をこれ以上増やさないよう、言動を慎んで残りの服役生活を真面目に送り、童貞パワー(笑)を蓄えておいて欲しいと思います。

読み終わってtwitterのフォローとメルマガの購読をしてしまいました。そして無性に喉が渇いてきたのでコーラとポカリのガブ飲みも、、、。

堀江貴文 / 刑務所なう。

堀江貴文 / 刑務所なう。

堀江貴文 / 刑務所なう。

堀江貴文 / 刑務所なう。




フツーの人は、私みたいにいろいろと工夫することナシに、キチンとルーティンワークを毎回こなせるのだ。逆に言えば、「ちょっと注意すれば忘れないような日々の細かいこと」に費やすエネルギーを、物事を考える際の集中力に振り分けているのだ。だから、私は掃除もほとんどしなかったし、会社が最も忙しかったころは散髪にすら行かなかった。シャワーすら面倒で帰宅に要する時間ですらもったいないと思っていたくらいである。それが私の"集中"の極意である。
懲役確定後に「収監は怖くないのですか?」と聞かれることがよくあったのだが、収監については考えないようにしていた。これは「死」の恐怖から逃れるテクニックの応用なのだが上手くいった。なので、収監前夜までプレッシャーはなかった。しかし、「死」と「懲役」が違うのは、前者はその瞬間終わりなのに対して「懲役」はそこからが辛さの始まりであることだ。死刑の本当の辛さは「死の恐怖」と闘うことなんだろうと思う。もし制度として死刑を廃止しないのなら、条文通り確定後半年以内に執行してやる方がまだマシなのかも。そういう意味では「死神」と呼ばれた鳩山邦夫元法相は正しかったのかもしれない。ただ私は冤罪のリスクがある死刑には反対だし、仮釈放の希望がゼロの終身刑にも反対だ。
最近やる気が湧いてきた。出所したら真っさらになるので、ゼロベースで事業プランを実行するつもり。夜寝る前にいつも考えている。出所するときにはもう40代でジジイになっているけど、ジジイはジジイなりに頑張るよ。
どうもtwitterとかでも「刑務所のメシを旨い」と言っている私が変である風に言う人がいるが、マジ旨いんだって。今日のチキンカツなんか肉は柔らかいし、ジューシーでカリッと揚げたてだ。
39歳であと2年程度刑務所と考えると気が滅入るが、ロシアロケットの父と言われる「セルゲイ・コロリョフ」——私の著作『拝金』にもミスター・チーフデザイナーとして登場する——もシベリアに数年拘禁され、帰ってから世界初の衛星、有人宇宙飛行と偉業を成し遂げた。彼に倣って気合を入れねば!
11月13日付の朝日新聞の中山季広というNY局長のコラム、NY局長レベルなのにこの経済オンチっぷりは何なのだ?こんな奴らが紙面を作っているから政権批判も的外れになるし、時には魔女狩りめいたことをしてしまうのだろう。マネーの本質は「信用」を目に見えるカタチでわかりやすく模したものにすぎない。紙(ペーパー)だろうが、金だろうが、電子情報だろうが良いのである。「モノ」、それも貴重に見える「モノ」に拘っている山中という人のような人物は、単に教養が足りていないだけである。日本人に不足しているのは「マネー」の教育であるのは間違いない。
 新聞とTVと数日遅れのBlog、Twitterプリント、週刊誌が情報源の私だが、新聞の特集記事を読むと、彼らが自分たちの存在意義を殊更に強調することに違和感を覚える。曰く、「一時情報はネットには存在せず、新聞にしかない」のだとか。これは半分本当で半分ウソだろう。例えば、オリンパスの問題を最初に記事にしたのは雑誌である。こういう雑誌の記事というのは、大抵はフリーライターが丹念に取材したものである。今の新聞に独自の取材記事(後追いではなく)はどれぐらいあるのだろうか? これが半分のウソの部分。半分本当の部分は、記者クラブ制度で他メディアを排除していることだ。つまり、今の新聞の一時情報なんぞ横並びで、Google Newsで読み比べても、各紙の見解・意見、あるいはコメントを頼んだ「有識者」程度の違いでしかない。記者クラブが解放されれば、会見の内容はニコ動、USTで中継されネット上の人々の手により、情報が書き起こされ、要約され識者がコメントを出してくれる。それを促進するシステムを今準備中だ。調査速報をしっかり金銭的にサポートする仕組みも考えている。
差し入れ書籍が相次いで検閲され不許可になる。サイバーエージェント藤田氏からの『監獄ラッパー』。あとは、スタッフから『囚人バカノート』、『ソフト・オン・デマンド』が出しているエロ本もダメだった。でも、エロ本自体がダメなわけではなく、種類によっては入ってくるエロ本もあるので、その境界がどの辺にあるのか知りたいところ……。
我々が工場でやっている作業は「勤労」というイメージにぴったりである。自動機械でやるより人力でやっているだけの単純作業。まさに「歯車」。産業革命後、「歯車」になった者たちが共産主義革命を支えたのは、その低賃金というよりも作業の単純さ退屈さ、喜びのなさが原動力だったのではあるまいか。産業革命以前は、殆どが「農業」に従事していた。生活水準はむしろ低かったろう。しかし、農作物が実る瞬間の「喜び」はあったろう。収穫祭で仲間と呑む酒は格別のものがあったろう。共産主義は、その後滅んでいった。しかし、退屈な単純作業労働は残ったまま、その大部分を担う非正規雇用の若者たちは不満を抱えたままだ。彼らを解放するには社会の枠組みを変える必要がある。単純作業はロボットに任せ、ある程度の自動化コストは社会が容認する。そして、働き方というか生き方に幅広い許容性を持つことである。もっと若者たちの「自由」を尊重すべきだ。
 朝日新聞でオトバンクという会社の上田っていう奴が「我々は『カネカネ』っていう堀江時代のIT起業家と違って社会起業家だ」とか抜かしていた。こいつ、とんでもない奴だ。"社会"起業家ってのは私は単なるエクスキューズに過ぎないと思っている。起業することで社会に変革をもたらし、社会を豊かにするなんてのは、起業をしたら当たり前でワザワザ言うことではない。例えば、私は起業することでネット社会の普及に一定の貢献をしたと思っているし、今でもメルマガやブログメディアの普及に貢献していると思う。より多くの人々に影響を与えられれば、より多くの人々が豊かになれる。これは当たり前だ。そのためには、舞台装置としての会社や資本力は、大きな方が都合がよかろう。政治の世界でも、より多く得票した人や政党が政策の実行力が上がるのと同じ理屈だ。わざわざ"社会"起業家と名乗る人々、あるいは「社会貢献」アピールや「理念」アピールから入る人々は、自分たちの影響力のなさに対して言い訳をしているだけだろう。ま、勝手に名乗るぶんには、はっきりいってどうでもいいが、俺のことを「金の亡者」みたいに言うのはやめてほしいし、まるで「社会貢献」していないように言うのもやめてほしい。
 TPP参加の是非を巡る議論を見ていると、つくづく今の人間たちは「モノ」に縛りつけられていると思う。「モノ」を持っていることが豊かであると勘違いしているとしか思えない。製造業(モノ作り)へのこだわりもスゴいし、農業保守にいたってはモノや土地に縛られた感情論でしかない。遺伝子組み換え作物(GMO)だって世界にはあふれている。いくら抵抗したってすでに飼料には含まれているし、海外に行けば口にしている。それを前提にして、研究を進め、安全対策を急いでやるしかないのだ。趣味や道楽で無農薬栽培にこだわるのは一向にかまわない。そっちの方が美味いなら一定のニーズはあるだろう。しかし、それが必要ない人々もいる。限られた資金、資源を有効活用するためにグローバル規模での自由貿易は必須だし、技術革新をないがしろにしてはいけない。否定することは人間らしさを捨てることである。
 これから、人間が必要とするものは精神的豊かさであり、それを推進する仕組みである。製造業のライン組み立てなど人間らしい仕事とは言えないだろう。どんどんロボット化して人を減らすべきであり、余った人材はもっと人間らしい仕事に回すべきである。だから、例えばJリーグのチームが増えるのも、プロスポーツの裾野が広がるのも必要なことなのである。生物が生きるためには、必要なくても人間が人間らしく生きるには、これまで「無駄」とか「廃業」とよばれてさげすまれてきたことが重要になってくるのだ。私もさんざん「廃業」呼ばわりされてきたが、これから必要とされていくと確信している。
ダイエット合宿と思えば少しは気が紛れるが、服役生活は「童貞力」がつくとも言える。思えば、2年もセックスしていないなんて童貞喪失以来なかったことだ。あの童貞時代の悶々とした心のなかにたまっていたパワーのようなモノを発散することで、いろいろ成し遂げられたようにも思う。痩せてパワーがつく修行だと思えば、辛いことも少しは我慢ができる。
もっと多様な生き方や価値観を認めるおおらかな社会になってほしいものである。硬直化した思想からは、何も生まれてこないだろうから。
 6月22日に『NExTWORK』で、WIRED元編集長ケヴィン・ケリーが語ったこれからのインターネットトレンドが面白い。詳しくはネットで調べて欲しいのだが(中略)世界最大のコピー機であるインターネットにおいて、「価値」をどう作り上げればよいのか? 例えばパーソナライズや見つけやすさ(ファインダビリティ)、身体性といったジェネレーティブなものに価値がある。たとえば、過去に録音されたすべての曲が入ったzipファイルより、Amazonの方が便利だったり、CDよりもLiveを見ることに価値を見いだしたり。これからのデジタル世界の姿をズバリと解説しているよい記事だった。
怖がりすぎでしょ。雑誌とかをよんでいるのだが、そんな記事ばかりでうんざりしてしまう。放射能の影響で体を悪くする人よりも、放射能に汚染されていると思い込むことで精神的に参り体を悪くする人の方が多いんじゃないだろうか?
プライドばかり高くて、中高年以上の高給取りがしがみついてやめないダメダメな会社はまた潰れるのがオチなのだが……。
TVメディアの問題は自分たちへの批判や都合の悪いことをスルーすることである。他人に火を付けられる前に、自ら過ちや誤解を伝えることをしたほうがいろんな意味で人からは信用されるものなのだから。
アホか。自分たちの天下り利権だからって事実上の違法状態を放置している。ま、これが権力ってもんだよね。世の中は不条理に満ちている。
時事ネタオピニオン

★【アプリの利用時間丸わかり「アップログ」に批判】

 つーか、cookieとか昔からWebブラウザにくっついているんだけど、いまさら問題になっているのは、それだけスマートフォンが普及して日常で使われるようになったからだろうな。一般の人が放射能に過剰反応する様などを見るにつけ、「技術」というものに知識のない人が大騒ぎして「プライバシーがどうのこうの」と、見られてもどーってことのない程度のプライバシーしか持たない人ほど気にするという、面倒な状況が発生しておりますなぁ……。

★【Amazon電子書籍への参入条件に出版業界困惑】

 Amazonが日本の出版社といろいろもめてkindleの日本版も遅れているらしい。強気の価値設定と再販制度等の問題とか。朝日新聞では、湯之上隆という人物が自分の書籍が紙では5万部売れたのに電子書籍では5部しか売れてないことを引き合いにし、「日本で電子出版は普及しない」とかバカなことを言っているし。そりゃ、あんたがネットで全然知名度もないし、活動してねーからだろ(笑)。すでにこのメルマガは1万部以上、しかも週間で出ている。iPhoneのアプリも、書籍によっては紙の本の半分ぐらいの部数は出ている。すでに日本の電子書籍マーケットは立ち上がっているのだよ。Amazonはそれを後押しすることだろう。
どー考えてもライブドアの件と比較すればオリンパスはケタ違いに額もデカいし、粉飾決算の期間も長い。これで上場廃止にならず、刑事処分も無しでは法の下の平等なんてないも同然。
(中略)
 私は刑事処分を受け、全てを受け入れて粛々と受刑生活を送っている。しかし、あまりに不平等な扱いを受けると心がザワついてしまう。お願いだから「法の下の平等」が実現できるようオリンパスの問題を扱う当局の担当者は肝に銘じてほしい。
刑が確定した以上、法治国家の国民である私はすべてを受け入れて、粛々と服役する毎日である。
 人間というのは不思議なもので、あれだけ嫌なイメージのあった刑務所生活も半年も経つとその生活が徐々に日常になりつつある。出所するイメージはまったく湧いてこないので「本当に出所できるのだろうか?」と、ときどき思うことがあるくらいだ。
バカに合わせてどんどん世の中が息苦しくなっていくのはもうごめんだという気がするが、規制をすることが仕事になっている人の利権があるから、仕方ないということになってしまうのである。
日本にリーダー適性のある人がいない訳でもない。しかし、そういう人がリーダーになれないのが日本なのである。





Filed under: 未分類     12:00 AM  Comments (0)

佐々木俊尚 / 電子書籍の衝撃

2010年4月15日初版発行の約2年後に購入し読了しましたが、面白く読むことができました(電子書籍にて)。

自分の身の周りには「ページをめくる楽しみがなくなる。本はやはり紙でなければ」「電子書籍は目が疲れる」という読書家もいましたが、個人的には「場所をとらない」「モノが増えない」「軽い」そして「便利」な電子書籍の方が好きです。

例えば紀伊国屋の「Kinoppy」アプリでは、紙の書籍と同様に気になるフレーズにマーカーで線を引くことができ、出現単語を検索したり、語句の意味をネットで調べるのが簡単なので使いやすいと思います。「青空文庫」も本らしく読めて機能も衰えないのは嬉しいところです。Retinaディスプレイ採用のiPhone 4Sなら、スキャン画質が良ければ小さいながら漫画も拡大せずに読むことが出来ます(が、やはり漫画はiPadの方が良いですね)。

紀伊国屋の「Kinoppy」

「青空文庫」より、中原中也 / 『在りし日の歌』

縦書き・横書きに対応(できない本もあり)

「青空文庫」より。この場合は縦書きの方が見やすいと思う

セブンネットショッピングの「7net ebook」も似たような使い勝手

まんがで読破シリーズ / キェルケゴール・作『死に至る病』


ハードカバー本の文庫版が出るのを期待するのと同じ感覚で、コンテンツの電子化が増えるのを楽しみにしている今日この頃です。


そんな電子書籍に関する本書を世に出すにあたり、著者の佐々木さんは敵も多く作ったのではないかと思いますが、後半の「出版文化」について触れられているところは大いに共鳴するところがあります。

2000年代にiPodが登場し「CDが売れなくなった」と言われる音楽業界から遅れること約10年。出版界でもいよいよ電子書籍が一般的になりつつある状況だと思いますが、肝心なのは、読みたい本・聴きたい音楽が、読みたい・聴きたい人に、好きな形態で、身近なデバイスに提供され、表現者の思いが自由に伝わることが文化の継承なのではないかと思います。

古文書や石碑の本物を読みたい人、『源氏物語』を巻物で読みたい人、スティーヴ・ジョブズの伝記をiPhoneやiPadで読みたい人、読めれば何でも良い人など、一口に読書好きといっても色々な人がいると思います。そのような様々なニーズに応えるのに電子書籍は単に選択肢の幅を広げるだけのものではなく、出版文化そのものを見直し再構築させるだけの力があるのだと納得させられました。今まであまり振るわなかった電子書籍も、いよいよ機が熟す時期が来たのかもしれない、とは実際に使ってみて感じるところです。

電子書籍が社会のインフラとして成立するには最適化されたプラットフォームの出現が必要だと本書は訴えます。そのプラットフォームの進化を牽引するAmazon, Google, Appleなどのサービスの向上には毎度驚かされています。日本と海外とでは若干温度差が違うように感じますが、スマートフォンの普及による行動様式の変化は今後どのようになってゆくのか、非常にワクワクする思いになりました。


 電子ブックが紙の本にかわる、あるいは紙の本を補完する社会のインフラとして定着していくためには、同じように電子ブックを取り巻く生態系が形成されていかなければなりません。

 その生態系を完成させるのには、いくつかのピースが必要です。

 第一に、電子ブックを読むのに適した機器(デバイス)が普及してくること。

 第二に、本を購入し、読むための最適化されたプラットフォームが出現してくること。

 第三に、有名作家か無名のアマチュアかという属性が剥ぎ取られ、本がフラット化していくこと。

 第四に、電子ブックと読者が素晴らしい出会いの機会をもたらす新しいマッチングモデルが構築されてくること。

 この4つのピースがすべて埋まれば、新たな電子ブックの円環は完成し、われわれの前に新しい本の生態系が姿を現してくることになるでしょう。
プラットフォーム上では、プロもアマチュアも、古い本も新刊本もフラットに立ち現れます。そこでは、書き手の側が自分の才能を存分に発揮するためのセルフパブリッシングのシステムが構築されていくでしょう。
 そういう状況の中では、出版社の機能も大きく転換せざるを得ません。将来はいまのような出版社ビジネスは衰退し、360度契約に基づいたエージェント的な役割の小さなチームが、書き手をサポートしていくような方向へとすすんでいくのではないかと思われます。
 ケータイ小説家たちは、いかにして自分の体験が読者たちにつながるかを目指しているのであって、すばらしい表現や新しい世界観を切り開こうとしている純文学を目指す人とはそこが決定的に違う
「ケータイ小説なんてくだらない、ゴミみたいなものだ」「最近の若者は本を読まない」「活字離れ」と高齢者が愚痴をこぼすのは自由ですが、そういう脊髄反応的な非難にはなんの意味もない
「活字離れ」やインターネットが原因ではありません。本と読者のマッチングモデルが劣化し、読みたい本を見つけることができない本の流通プラットフォームに最大の問題があるのです。
 実際、日本よりもインターネットが社会で利用されているアメリカでは、本の売上は増えています。
プラットフォームの劣化と出版文化の弱体がすべてを台無しにしているというのが実態なのです。

「出版文化」という幻想

 第2章では、グーグルのブック検索に対して日本の出版業界からは感情的な批判がでていることを紹介しました。
 作家の三木卓さんのコメントを覚えていますか? 彼は日本ビジュアル著作権協会の記者会見で、こう話しました。

「著作者にも問題ですが、出版社にも問題です。出版社はみんなにいいものを書かせようとして、いっぱいお金を使って一生懸命、出版文化を支えているのに、グーグルがそのいい部分だけをさらっていくのは問題です」「グーグルに対しては怒りを覚えています」

 この「出版文化」って、いったい何のことを言っているのでしょうか?
 銀座の文壇バーで書き手と酒を呑む文化のことですか?
 それとも、大手出版社で社員編集者に支払われている高い給料でしょうか?

 情報が出版社やテレビ局、新聞社に独占されていて、過剰な富がもたらされていた時代のなごりにしがみつき、その時代に蓄積された富で飽食し、惰眠を貪るのは自由です。しかし、そうやって文壇バーでどうでもいい噂話にうつつを抜かしている間に、ほんのプラットフォームは土台から崩壊しはじめていることに彼らは気づいていません。
 守るべき「出版文化」なんていうものは、そもそもが幻想でしかないのです。

 編集者の質の低下がずっと言われ続けています。若い作家を育てて花開かせられるような力量をもった編集者は、ごく稀になりました。
 たとえば最近の文芸分野では、一部のベストセラー作家に営業マンのようにみんなでぶら下がり、お互いが抜け駆けしないように毎日全員で呑み歩きながら、順番に本を書いてもらうようなサークル活動にいそしんでいる人たちばかりです。お追従の言葉ばかりがあふれ、「もっといい本を書け」と刃を突きつけるような人はほとんどいません。

 ノンフィクションの分野でも同様です。きちんと取材した本は売れなくなり、「ノンフィクション」というジャンル自体が衰退してしまいました。
 多くの編集者はどこかで見たことのあるようなビジネス本や自己啓発本の量産を、まるで機械工場の労働者のように繰り返しています。

 こういう現状のどこに、「文化」があるのでしょうか?
 そうであれば、私たちが考えなければならないのは、グーグルブック検索やキンドルのような新しい電子ブックの世界が、どういう利益不利益を読者や書き手にもたらすのかをきちんととらえることであって、感情的な反発などいっさい不要です。

 もちろん、いまでも優秀な編集者や良い小出版社はたくさんあります。
 私が過去につきあってきた編集者の中には、「この人とならずっと一緒に仕事をしていきたい」と思わせてくれる人はたくさんいます。時代を読む鋭いセンスを持ち、読解力も深く、そして人間的に魅力のある人たち。
 出版社も同様です。既存の流通システムにあぐらをかいて何の努力もしない大手出版社がある一方で、劣化した取次システムに頼ることなく自力で書店をまわり、読者とのネットワークを構築し、良い本をたくさん生み出している志の高い出版社はいまも少なくありません。
 しかしそうした編集者、そうした出版社は日本の出版業界ではしょせんは少数派であり、「はぐれ者」扱いされてしまっているのが現状なのです。そうした個人や企業がきちんと光を浴び成長していけるようなしくみを、いまや私たちは再構築しなければなりません。

 そのためには、既存の流通システムをいったん潰してしまって、新たな構造をつくりあげることがいま必要なのではないでしょうか。
 そのためにも電子ブックの意味があるのです。
 新しい革袋には新しい酒を——ということなのです。

守られるべきものとは何か?

 本の読者から見れば電子ブックに不利益などひとつもありません。
 たとえばグーグルブック検索が日本でも実現すれば、すべての本をテキスト検索できるようになります。

(中略)

 グーグルの和解案を歓迎しているポット出版の沢辺均さんは、ウェブサイトでこう表明しています。
「すべての人が、書籍の書誌情報(タイトル・著者名など)だけでなく、その全文にたいして一定の言葉の存在を検索できることは、その人にとって有用な書籍を『発見』する手だてを格段に増やし、そのことで社会全体でさまざまな知の共有が前進すると思う」

 まったくそのとおりです。
 逆に言えば日本の出版社の大半は、みずからのインターネットのリテラシーの低さを棚に上げて、「全文検索できると本を買う人がいなくなる」などとなんら根拠のない主張をしてきました。
 少なくとも現在まで、ウェブで書籍の内容が掲示されていたことを理由に本が売れなくなっているというようなことを証明する事実は、一度も提出されたことがありません。逆にケータイ小説のように、ウェブで全文配信されているのにもかかわらず書籍が爆発的に売れまくったようなケースもあるのです。

(中略)

 守られるべき出版文化とは、決して「出版業界」ではありません。
 もちろんこういうメディアの大転換期に直面すると、古い業界に勤務していた人たちは多くが職を失い、中には路頭に迷う人だって出てくるかもしれません。そうした人たちをどう救済していくのかはまた別の問題ですが、しかし間違えてはなりません。
 最も大切なのは、「読者と優秀な書き手にとっての最良の読書空間を作ること」です。決して出版業界の給料を高止まりさせたり、雇用を維持することを目的にしてはならないのです。
 逆に言えば、出版業界の現状維持を目的にしてしまった結果、従来の劣悪な読書空間が放置されるというのは、読者にとっても書き手にとっても不幸な事態でしかありません。
 そしてこの不幸な事態を、ついに登場した電子ブックが突破してくれる——いまやそういう期待が高まってきているのです。
 健全な出版文化とは、マニアックな本、特定分野に特化した本、全員に読まれる必要はないけれどもある層の人たちにはちゃんと読まれたい本。そういう本がきちんと読者のもとに送り届けられるような構造をいいます。ベストセラー優位の構造だけではダメなのです。
タレントやランキングのようなマスモデルに基づいた情報流路から、ソーシャルメディアが生み出すマイクロインフルエンサーとフォロワーの関係へ——。
 情報アクセスの世界は、いま劇的にこういう方向へと進みつつあります。
 検索エンジンやポータルサイトだけが情報収集先という時代は、もう過ぎ去ろうとしているのです。
 いまだに高齢の識者や文化人の間では幅を利かせている「本や雑誌がインターネットになると検索エンジン中心の世界でたこつぼ化が……」といった言説には、説得力はもはやありません。

 もちろん、検索エンジンがなくなることはないでしょう。過去に蓄積されたストックの情報を収集するためには、検索は有効です。
 しかしストックではなく、いままさにネットの中心から誰かによって生成されたフローの情報を探す手段としては、検索エンジンではなくブログやSNSやツイッターといったソーシャルメディアが不可欠なのです。
共同体空間に私たちは電子ブックを通して接続し、言い換えれば電子ブックはその大きな空間の一部として機能する。
 それはすでに従来の「読書」という概念を超えた新しい枠組みであり、本がメタ化され、メタ化された総体としての本とその周辺の文化が、新しい概念として生まれてくることになるでしょう。
 これは新しい文化の幕開けになると思います。

 そしてそのような場所では、私たちが本と出会う機会は、いまとはまったく違ったかたちになっていくでしょう。
 マスモデル化されたランキングや均一化された大型書店の平台ではなく、かといってキンドルストア、iTunesストアのようなポータルサイトや検索エンジンでもなく、ソーシャルメディア上を流れていくコンテキストとの出会いによって——。
間違えてはならないのは、「電子ブックの出現は、出版文化の破壊ではない」ということです。
 何千年も同じような文字表現で人々に愛されてきた本は、そう簡単には崩壊はしません。そこがたかだか数百年の歴史しかない新聞や、あるいは登場してから数十年しか経っていないテレビとは違うところです。
(中略)
 活版印刷だろうが電子ブックだろうが、あるいはパピルスや羊皮紙や石版に書かれていようとも、本そのもののコンテンツの強度はいまも昔も、そして未来も変わることはありません。ただそのコンテンツを取り巻く外殻部分が大きく変容するだけなのです。





Filed under: 未分類     12:00 AM  Comments (0)

【写真】VELVET CHERRY, vanity @吉祥寺 ROCK JOINT GB 2011.09.29

撮らせてもらった写真です。

画像をクリックすると各アーティストのページに移ります。


吉祥寺 ROCK JOINT GB 2011.09.29


続きを読む...
Filed under: 未分類     12:00 AM  Comments (0)

【動画】yu-u @代官山 Simple Voice 2011.09.28

撮らせてもらった動画です。




続きを読む...
Filed under: 未分類     12:00 AM  Comments (0)

【写真】yu-u @代官山 Simple Voice 2011.09.28

撮らせてもらった写真です。


代官山 Simple Voice 2011.09.28


続きを読む...
Filed under: 未分類     12:00 AM  Comments (0)

【iOSアプリ開発】アップル・ストア審査基準まとめ(2)- Apple Store Review Guidelines (Introduction)

前回の続きでApp Store Review Guidelinesを、量が多いので何回かに分けてまとめたいと思います。
今回はイントロ部分。文中にもあるとおり、これはliving documentなので後日変更されているかもしれませんが、2012年6月のものです。

Introduction

We're pleased that you want to invest your talents and time to develop applications for iOS. It has been a rewarding experience - both professionally and financially - for tens of thousands of developers and we want to help you join this successful group.  We have published our App Store Review Guidelines in the hope that they will help you steer clear of issues as you develop your app and speed you through the approval process when you submit it.

We view Apps different than books or songs, which we do not curate. If you want to criticize a religion, write a book. If you want to describe sex, write a book or a song, or create a medical app. It can get complicated, but we have decided to not allow certain kinds of content in the App Store. It may help to keep some of our broader themes in mind:

  • We have lots of kids downloading lots of apps, and parental controls don't work unless the parents set them up (many don't). So know that we're keeping an eye out for the kids.
  • We have over 350,000 apps in the App Store. We don't need any more Fart apps. If your app doesn't do something useful or provide some form of lasting entertainment, it may not be accepted.
  • If your App looks like it was cobbled together in a few days, or you're trying to get your first practice App into the store to impress your friends, please brace yourself for rejection. We have lots of serious developers who don't want their quality Apps to be surrounded by amateur hour.
  • We will reject Apps for any content or behavior that we believe is over the line. What line, you ask? Well, as a Supreme Court Justice once said, "I'll know it when I see it". And we think that you will also know it when you cross it.
  • If your app is rejected, we have a Review Board that you can appeal to. If you run to the press and trash us, it never helps.
  • If you attempt to cheat the system (for example, by trying to trick the review process, steal data from users, copy another developer's work, or manipulate the ratings) your apps will be removed from the store and you will be expelled from the developer program.
  • This is a living document, and new apps presenting new questions may result in new rules at any time. Perhaps your app will trigger this.

Lastly, we love this stuff too, and honor what you do. We're really trying our best to create the best platform in the world for you to express your talents and make a living too. If it sounds like we're control freaks, well, maybe it's because we're so committed to our users and making sure they have a quality experience with our products. Just like almost all of you are too.

あなたの才能と時間をiOSのアプリ開発に使おうとするのは喜ばしいことです。何万人もの開発者にとって、それは専門的にも経済的にも報われる経験となるでしょうし、私たちもその成功のお役に立てればと思っています。アプリ開発において問題点を明確にし、提出したアプリが承認するまでの時間が短縮できるよう、助けになれば、という思いからこのアップル・ストア・レビュー・ガイダンスを作りました。

本や曲と違って、私たちはアプリを管理(キュレート?)しません。宗教を批判したければ本を書いたら良いです。性について述べたければ本や曲を書くか、あるいは医療系のアプリを作ったら良いでしょう。複雑になるかもしれませんがある種のアプリは許可しないことに決めたのです。広範なテーマの中からいくつかを念頭に置いていたら役に立つかもしれません。

  • 世の中にはたくさんのアプリをダウンロードする多くの子供たちがいます。そして、親の監視がなければ(多くの場合ないのですが)制限がききません。だから、私たちは子供たちの動向に目を光らせていることを知っていてください。
  • アップル・ストアには35万個を超えるアプリがあります。屁の突っ張りにもならないアプリは要りません。何か有用なものや継続的な楽しみを提供しないものは受け入れられないかもしれません。
  • 2~3日でこね合わせたようなアプリや、練習で作って友達にあっと言わせようとして作ったものは、どうかお控えください。そんな素人レベルのアプリに時間を取られたくないと思っている真剣な開発者がたくさんいるのです。
  • 一線を越えてしまっていると思われる内容や挙動のアプリは拒否します。一線とは何か、ですか?かつてある最高裁判事が言ったように、それは「見れば分かります」。越えてしまったことは、あなたも分かるでしょう?
  • アプリが拒否されても、あなたが意見を述べられるようにレビュー板を用意してあります。でも我々を中傷したところで何にもなりませんよ。
  • (例えばレビュー過程で騙しをしたり、ユーザーからデータを盗んだり、他の人の作品を盗用したり、評価を操作するなど)システム内で不正行為をしたら、アプリはストアから削除されあなたはデベロッパー・プログラムから追放されます。
  • この文書は時々刻々変化しますので、新しいアプリが問題を提起し、その結果、新しいルールができることもあり得ます。もしかしたらあなたがそのきっかけになるかも知れません。

最後に、私たちはこれが大好きで、あなたのすることに敬意を払います。あなたの才能を表現する最高のプラットフォームを世界に作り出し、人生をも最高にするために我々は最善を尽くしています。もし私たちが支配狂のように思われるなら、、、うぅむ、それは恐らく、我々はユーザーに委ねられ、アップル製品の質の高さをユーザーが経験していることを我々が確信しているからではないでしょうか。ちょうど、あなた方ほとんどが同じように思っているように。

Table of Contents

  1. Terms and conditions
  2. Functionality
  3. Metadata, ratings and rankings
  4. Location
  5. Push notifications
  6. Game Center
  7. iAd
  8. Trademarks and trade dress
  9. Media content
  10. User interface
  11. Purchasing and currencies
  12. Scraping and aggregation
  13. Damage to device
  14. Personal attacks
  15. Violence
  16. Objectionable content
  17. Privacy
  18. Pornography
  19. Religion, culture, and ethnicity
  20. Contests, sweepstakes, lotteries, and raffles
  21. Charities and contributions
  22. Legal requirements

「Terms and conditions」以降は次の機会に続けます。







Filed under: 未分類     12:00 AM  Comments (0)

【iOSアプリ開発】アップル・ストア審査基準まとめ(1)

恥をさらすようですが、アプリ開発初心者の一助となればと思い、公開します。

以前書いた
【iOSアプリ】CounterParts – 最大8個まで同時に数えられるカウンター
ですが、
【iOSアプリ開発】Xcode 4.3.2とiTunes ConnectでアプリをApple Storeに登録
したところ、見事審査で落とされました(^_^;

Your app CounterParts has been reviewed, but we are unable to post this version.
「Your app CounterParts has been reviewed, but we are unable to post this version.(チェックしましたが、このバージョンは公開できません)」というメールと、

iTunes Connect上には
Rejected orz
「Rejected」の文字、、、orz

審査期間は色々なところで「およそ1週間」と言われている通り、10日間でした。

アップル・ストアはアンドロイド・マーケットよりも審査が厳しいと知ってはいたものの、ウィルスなど仕掛けていない(そんな技術はない)し実機でもきちんと動作確認ができたので、本気で通ると思っていました(笑)ので少々ショックですが、この程度のレベルでは駄目だということが分かり、勉強になりました。

以下、iTunes ConnectのResolution Centerより、今回却下された理由です。
Binary Rejected Jun 19, 2012 01:40 PM
Reasons for Rejection:
2.12: Apps that are not very useful, are simply web sites bundled as apps, or do not provide any lasting entertainment value may be rejected
「あまり有用ではないもの、単なるサイトの内容だけものも、継続的な楽しみをもたらさないものは拒否されることがある」とのこと。

なるほど、ただ安全に動けばさえよいというものではないようです。

続いて、
Jun 19, 2012 01:40 PM. From Apple.

2.12

We found that the features and/or content of your app were not useful or entertaining enough, or your app did not appeal to a broad enough audience, to be in compliance with the App Store Review Guidelines.

For example, your app includes a very limited set of features.

We understand that there are no hard and fast rules to define this but it can be helpful to look at the apps featured on the App Store to get a feel for the type of experience our users expect.

We encourage you to review your app concept and evaluate whether you can incorporate different content and features that are in compliance with the Guidelines.

For app design information, check out the videos: "Getting Started video: The Ingredients of Great iPhone Apps" and "iPhone User Interface Design," available on the iOS Developer Center, and the iOS Human Interface Guidelines in particular, the sections, "Great iOS Apps Embrace the Platform and HI Design Principles" and "Human Interface Principles".

If you cannot - or choose not to - revise your app to be in compliance with the App Store Review Guidelines, you may wish to build an HTML5 web app instead. You can distribute web apps directly on your web site; the App Store does not accept or distribute web apps.

HTML5 is the major new version of HTML and enables audio and video to play natively in the browser without requiring proprietary plug-ins. Using HTML5, web apps can look and behave like native iPhone and iPad apps, and using HTML5's Offline Application Cache, a web app can work even when the device is offline. With web apps, you have flexibility to deliver as much or as little functionality as you desire.

To get started with iPhone or iPad web apps, please review Getting Started with iPhone Web Apps.

For a description of the HTML elements and attributes you can use in Safari on iPhone, check out Safari HTML Reference: Introduction.
「アップル・ストア・レビュー・ガイドラインに従い、あなたのアプリは役に立たないか面白くないか、多くの人に受け入れられるに十分でないと判断しました。
たとえば、非常に限られた機能しかない、など。
それを定義する厳格なルールなどないことは知っていますが、ユーザーがどんなアプリを求めているか、アップル・ストアにあるアプリを見てみると良いかもしれません。
もう一度アプリのコンセプトを見直し、別の内容や特徴のものを取り入れてガイドラインに沿うものが作れないかを見積もることを奨励します。
アプリの設計の詳細については、「Getting Started video」などをチェックしてみて下さい(リンク先は、Mac OSX以上のSafariにて、ログインして見れます)。
アップル・ストア・ガイダンスにかなうよう修正できない、またはしない場合は、代わりにHTML5のウェブ・アプリを作りたいこともあるでしょう。その場合、ホームページ上でウェブ・アプリを直接配布することができますが、アップル・ストアは受け付けませんし配布もしません。
HTML5はHTMLの主要な新しいバージョンであり、独自のプラグインなしに、ブラウザだけで音声や動画を再生することが出来ます。HTML5を使えばウェブ・アプリはiPhoneやiPadと同じように振る舞い、HTML5のオフライン・アプリケーション・キャッシュを使えばデバイスがオフラインの時でも動きます。ウェブ・アプリには、あなたの望むのと同じくらいの機能を提供する柔軟性があります。
iPhone、iPadのウェブを始めるにあたり、Getting Started with iPhone Web Appsを見て下さい。
HTMLの要素と属性の説明については、iPhoneのSafariでSafari HTML Reference: Introductionをどうぞ」



という訳で、次回はアップル・ストア・レビュー・ガイドラインについてまとめたいと思います。




Filed under: 未分類     12:00 AM  Comments (0)