白石一文 / 僕のなかの壊れていない部分(2)

 白石一文 / 僕のなかの壊れていない部分(1)の続きです。
 ノンフィクション作家の、実母の死を看取る場面が生々しいです。自分も、母親の死に目に立ち合うことが出来、ある意味幸せなことだったと思いますが、その記憶は強烈に脳裏に焼きついています。まさに「老いることも、死ぬことも生半可ではない。どれほど困難なことなのか。家族がいようといまいと、かたわらに誰がいようといまいと、結局は孤独な一人の戦い」という表現の通りでした。
 母は浄土真宗の話を聞いていたことがあり、そのためか、臨終3日前に、衰弱した体にもかかわらず、力強く父の腕を握り、「阿弥陀様が助けに来てくれたよ! 阿弥陀様が助けに来てくれたよ!」と繰り返し、大きな声で言っていました。どんな孤独な戦いをしたのかは想像にも及びませんが、死を「乗り切る」こととはどういうことか、考えさせられる場面です。 (続きを読む…)

Filed under: し:白石一文  タグ: , , , , , , , , , , ,   charlie432 00:00  Comments (0)

白石一文 / 僕のなかの壊れていない部分(1)

 まだ読み始めたばかりで、50ページも読んでいないのですが、これは良い!と思える予感のする本です。そもそもタイトルからして良いと思います。
 主人公は出版社に勤務する29歳の「僕」、少しひねくれた人格として描かれているようにも思えますが、思考や発言には同調できる部分が多く、また深い示唆に富んでいると思います。
 普通なら、全部読み終えてから感想を書くところですが、後から振り返って書こうとしても忘れてしまいそうなので、この際、メモを取りながら読み進めて行こうと思いました。
 以下、枝里子という女性との旅の最中、彦根城での会話です。「生」と「死」について考えさせられます。 (続きを読む…)

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