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司馬遼太郎 ~ 梟の城

梟の城2
 司馬遼太郎で初めて読んだ本です。もともと、歴史に疎いので苦手意識克服の為に、と手にしたのですが、非常に面白かったのに驚きました。エンターテインメント色が強い作品と言えるでしょう。多くの知人に貸して勧めましたが、大抵が口を揃えて皆「良かった!」と言っていました。直木賞をとり、映画になったのも頷けます。


 主人公は、伊賀の乱で家族を信長に皆殺しされた伊賀忍者、葛籠重蔵。そして、信長への復讐に燃えていた矢先に起きたのが本能寺の変だったのです。
 信長によって、土地、家名、肉身という人生の基礎を奪われ、しかもその信長を殺すことに賭けてようやく人生に望みをもち、一転ののち信長の死によって重蔵はそれらのすべてをうしなった。
 そののち9年。天下はすでに豊臣秀吉に帰していたが、峠に居る重蔵の日常は、なすことがなかった。
(中略)
 人生に目標をうしなった重蔵の日常に、いまひとつ為すべきことがあった。この血を、それができうることならば、怠惰の中に沈澱させおおせることであった。
 あたかも「生きる目的」を失ったかのような重蔵の日常は、まさにニート状態でありました。いかに忍者の修行を積んだとはいえ、目的を喪失した人間の精神状態は、なんとも言えぬ虚しさが込み上げてくるものなのだと思いました。


 しかし、そこへ、彼をして、再び忍者としての道を歩ませる大きな仕事が舞い込んでくるのです。
 「この重蔵がいのちを燃やすほどのしごとならば、忍びにたちもどってもよい。お師匠が配下の乱波にもなろう。――何じゃ。仕事は」
「秀吉を殺すことじゃよ」
 かくして、重蔵は忍者としての生き甲斐をかけて、秀吉暗殺に命をかけるのです。


 さて、その結末や、いかに?


 かつて同じ師についていた重蔵とは風間五平の生き方の違いが対照的に描かれているところが面白かったです。また、「敵か味方か?」「殺すか殺されるか」の思いが交錯する中、重蔵、五平、小萩、木さるとの間に繰り広げられる恋愛の行方も気になるところで、読み出したらグイグイ引きこまれる作品です。腕を切り落とされながら平然と会話を続けたり、暗闇で背後の人の気配を感じたり、と忍者ならではの超人ぶりが描かれているのも読んでいて小気味良かったです。
 そして、意外な結末には「さすが!」と読後感は満足でした。


 ちなみに私の所有する本の装丁は、DVD版のそれに劣らず好きです。


(参考)
biblioさんのブログ
タカノリさんのブログ
記述師さんのブログ
じんぱちさんのブログ
大阪下町オヤジさんのブログ
ウィキペディア
司馬遼太郎作品のあらすじ紹介と評価


つぶやくどうぞ twitter に引用しちゃってください(^^)ノ
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