島尾敏雄 / 死の棘

夫の不倫を知った妻が、半狂乱で夫を責め、相手の女を呪う。 狂気の発作が激しくなる妻を恐れる夫は、許しを請い、妻の追及から逃れることを一心に願う。 「死んでやる!」「殺してくれ!!」「心中だ!」とやりあう両親を見て「オトウシャントオカアシャンケンカシテイル。カテイノジジョウシテ、オカアシャン、ナイテイル」と泣き叫ぶ子供。 嘘をつく夫と疑う妻の、子供まで巻き込む壮絶な闘いが克明に記され、夫婦のすれ違い、男女の業の違いをまざまざと見せつけられる思いがしました。 「夫婦喧嘩」という表現では生ぬるい、骨肉相食む争いが見えてくるような迫力に、ただただ圧倒される一冊です。 加えて、ひらがなが多く改行の少ない表記は、読了するのに体力と精神力を奪われました。 例えば、これは序の口。 (続きを読む…)

Filed under: し:島尾敏雄  タグ: , , , , , , , , ,   charlie432 00:00  Comments (0)
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