【本】中島みどり / 白蓮華のように ―あなたに会えてよかった― (3)

一つ前の投稿の続きです。

闘病日記のあとは、お子さんとの文通、ご主人への手紙が掲載されています。

ただただ感心させられるばかりです。同じ境遇になったとき、自分は同じ心境でいられるだろうかと考えずにおれませんでした。日頃どんなに感謝とか思いやりに心がけていても、それはある程度余裕があるときだと思うからです。病気が進行して治る見込みがなく、肉体的にも辛い日々が続いてもなお「今が一番幸せ」と思う事ができるでしょうか。

「死」を終焉ととらえるのではなく、新たな旅路の始まりと受け止められるのは、思い込みや精神の鍛錬とは別の次元のような気がします。

過去を悔やんだり自暴自棄になったりするのではなく、巻末の「看護婦さんのことば」にあるように、今、ここで、自分が生かされていることを心底喜べることの素晴らしさ、力強さを感じずにはおれません。
 中島さんは、どんな逆境にもめげず、いつも前向きで、本当に最後まで諦めることなく頑張っていましたね。それが私たちの元気とやる気につながったのではないかと思っています。そして、私たちにいろんなことを教えてくれました。私はやはり『感謝』と『死の受容』が一番心に残っています。人間は、生きている中でどれだけのことに感謝するでしょうか? 私は、中島さんに出会って、ほんの些細なことにまで感謝できる気持ちに気づきました。今、ここに生まれ、生きていること、これがすべての感謝の根源にあるんですよね。この気持ち、いつまでも忘れることはありません。
 それから『死の受容』について、私の看護婦生活の中、中島さんほど死を冷静に受け止めていた人はいません。もっともっと、この世に残したいことがあったのではないでしょうか……?

真の幸福とは、全てを失っても満たされている安心・満足なのだと思いました。

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Filed under: ★新書・単行本など  タグ: , , , , , , ,   charlie432 00:00  Comments (0)

【本】中島みどり / 白蓮華のように ―あなたに会えてよかった― (2)

一つ前の投稿の続き。第2章は、闘病中の日記です。

没後知ったのですが、自分の母も大腸癌で入院していたとき日記を書いていました。それを読んだときの記憶がよみがえり、切なくなりました。
当時は仕事の関係で富山県にいて、実家の東京へは月1回しか帰れませんでした。その帰りを待ちわびていること、検査が辛かったこと、痛みがだんだん強くなってきていることなどが日記には克明に書かれていて、それまでの不孝を懺悔せずにおれませんでした。
中学高校時代は親を疎ましく思い、大学卒業後は両親の反対を押し切り、家を飛び出るようにして北陸の某団体へ入り、家へはほとんど帰りませんでした。口だけは達者で憎たらしいことを平気で言う母を、どれだけ罵ってきたことか。
そんな母が、ステージIVの進行癌だと分かり、少しずつ衰弱してゆく姿をみて、何とか支えになれれば、と思うものの、思い知らされるのは無力感だけでした。

唯一救いになったのは、それまで聞いてきた親鸞聖人のお言葉を伝えることが出来たことだと思います。
若不生者のちかいゆえ 信楽まことにときいたり
一念慶喜するひとは 往生かならずさだまりぬ
(親鸞聖人・浄土和讃)

治る見込みが少なく、いつ死がきてもおかしくない状態の中で、「かならず往生することがある」と話をしました。
その願いが届いたのか、中島みどりさんと似たような事を書いていたのに、不思議な因縁を感じずにはおれません。
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【本】中島みどり / 白蓮華のように ―あなたに会えてよかった― (1)

「立ち読みをしていたら、ページを涙で濡らしてしまい、棚に戻せず買ってしまった」と、薦められた本。

それは汗だったのでは?

その疑いは最初の数ページでなくなりました。泣けます(Φ、ωΦ、)。

電車の中で、本気で涙をこらえたのは、リリー・フランキーの『東京タワー』以来。瞼にたまった液体の、重力に負けるか表面張力が勝つか、必死の闘いでした。

中島みどり / 白蓮華のように
40歳という若さで悪性リンパ(癌)で亡くなられた中島みどりさん。その闘病の記録と家族へのメッセージです。

先日七回忌を迎えた自分の母と姿が重なり、限りある尊い命をいかに大切にすべきか、教えられました。私の母も臨終直前に「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、、、」と合掌して往きましたが、中島さんも、子供時代に浄土真宗の寺の日曜学校に通っていたそうです。
いつでも、どんな時でも、「私が私であって よかったといえる あなたになれ」と呼びかけて下さる方があった。
その呼び声を聞くことが人間としていちばん大切な願いではないでしょうか
― みどり ―


苦しみや懺悔とともに、生きることへの感謝、喜びにあふれた中島さんの人生最後の手記は、是非とも多くの人に読んでもらいたいと思わずにおれません。

一言一言が、重く、深みがあるので全部書き留めたいところですが、そういう訳にもゆかず、一部、写させてもらいました。長くなるので何回かに分けます。

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