DREAM THEATER / A Dramatic Tour of Events (1) 大阪 Orix Theater 2012.04.23

Orix Theater
(注意)ネタバレありなので、これからライヴに行くという人は読まない方が良いかも知れません。


DREAM THEATER来日の初日。東京での仕事を昼で切り上げ、大阪に行って来ました。18:30開場の一時間前に到着した頃、隣の公園にはすでにぼちぼちと人が集まっており、物販コーナーも開いていました。そこですかさずツアーTシャツを購入。いつもライヴではバタバタと余裕がないのですが、今回は逆に時間を持て余すほどでした。

A Dramatic Tour of Events


旧大阪厚生年金会館であるOrix Theaterは、4月8日にオープンしただけあってかなり綺麗。どれだけ写真を撮りたいと思ったことか(本当は終了後撮っちゃいましたが(^_^;)公開はやめておきます)。

先行予約で取ったチケットは3階席4列目で、見やすいといえば見やすいですが、少し距離がありました。が、上からステージ全体を見下ろすことが出来、ギターアンプの後ろに構えられた「隠れ家」にジェイムズが入る様子がよく分かって面白かったです。後ろ向きに(大便器に座るように(笑))入るのですが、何やってるんだろう?と思いました。

その前に、前座はAndy Mckee。普通のアコースティック・ギターにパープ・ギターを交え5曲を30分間演奏しました。距離があってよく見えなかったですが、ハープ・ギターによる3、4曲目の静謐な響きの曲と、最後にアコギに持ち替えての疾走感のある曲が気に入りました。特に最後の曲はテクニック的にベースの早弾きみたいなところがあったのと、「A Change of Seasons」フレーズを演ってくれたところが良かったです。人によっては「寝てしまった」という人もいましたが、個人的にはクラシック・コンサートのようで好きです。客席からの「アンディ!」コールに「コンバンハ。ワタシ、スコシ、ニホンゴ、ハナセマス。デモ、アマリウマクアリマセン」と答えていました。

アンディ終了後、20分ほどの転換があり、いよいよDream Theater開始です。昨年夏にロンドンで観た時と同じ「Dream Is Collapsing」で始まりますが、今回はオープニング・アニメーション付き。忍者風のマイアング、ハクション大魔王風登場のマンジーニのキャラが笑える可愛いものでした。Octavarium等の時と同じタッチで、怪物を倒していました。

「Bridges in the Sky」からのスクリーンは、ジャケットの一輪車ピエロになり、それも見ていて楽しいです。

音響はやや響きすぎる感じがしないこともなかったですが、聴きにくいこともなく、素晴らしい演奏に酔いしれました。ただ、サマソニ、High Voltage Festivalの方が音が良かったように思えたのは、ホールの広さに対する音量のバランス、もしくは3階席という場所が影響しているからでしょうか。

照明に使われているLEDはかなり明るく、時に逆光でステージが見えなくなることもありましたが、輝度が高く鮮明な光線が、生きているみたいに分散したり一点に集中したりする様は、見ていて美しかったです。

演奏面で特筆すべきはジェイムズのヴォーカル。今まで観た中で一番良かったです。音程も声量も安定していて、初来日の頃の若々しさすら感じました。

ヴォーカルといえば、アコースティックの「The Silent Man」におけるジョン・ペトルーシのバッキング・ヴォーカルも上手くて聞き惚れました。

ベースのマイアングはいつも通り淡々としているように見えましたが、前の方の人のレポートによるとペトルーシと微笑みながら弾いていた時があったようです。

キーボードのジョーダンは、手が空いている時はマンジーニの方に体を向けて、ガッツポーズのような格好でリズムをとっており、彼と楽しそうに会話をしているようでした。そういえば、ショルダー・キーボードが置いてありましたが今回使うことはなかったです。

マンジーニのドラムは非常にパワフルでテクニカル。両手で叩いているとしか思えない高速ドラミングを片手でやっているの見て驚きました。ギネス記録保持者のドラミングはマイク・ポートノイとは違う意味での存在感がありました。

MCで覚えているのは、まず第一声目が「オッサカ!」。その後、戻って来れて嬉しい、という内容のことを言っていたと思います。
「Build Me Up, Break Me Down」の前では突然「Hey!! That young girl!!」とジェイムズが一階席中ほどを指差して叫ぶので、誰だろう、羨ましいな~と思って探していたら、お父さんに肩車された4~5歳の女の子でした。でも本人は自分のことを言われていると分からなかったのか、何の反応もなく、ジェイムズも「O.K. I like you」と言っただけでそれ以上の発展はありませんでした。
「Surrounded」前では「この曲は1992年から歌っている。20周年の曲だ」というような紹介。
椅子に座って歌うアコースティック・セットでは「初めて日本に来た時は、寿司が食べられなくてねぇ」と楽しそうに話していました。
「The Spirit Carries On」では、魂が何とかかんとか、と言っていましたが、聞こえないことろがあって分かりませんでした。

その「The Spirit Carries On」は、ジョーダンとペトルーシのソロで始まり、これが非常に美しく感動的でした。

「6:00」はCDと同じ演奏なのにCDとは違う新鮮さで楽しめました。イントロのドラムが印象的だったからかも知れません。

「A Fortune in Lies」は、2ndアルバムが出る前に聴いて感動したアルバムの最初の曲なので、思い出深く聴かせてもらいました。相当体力を酷使する曲だと思います。

自分の周辺で一番盛り上がったのは「The Root of All Evil」のSEが始まった時だったと思います。一斉に手拍子が始まり、客のリズムが走りすぎはしまいか心配したほどです。

でも、全般的に大阪のオーディエンスは比較的大人しめだったと思います。ライヴで大阪に来る時はいつも思うことですが、演奏中、微動だにしない人がかなり多いのです。東京から初めて来た時は結構カルチャーショックを受けました。今回も座っている人が思いの外多くびっくりしましたが、終了後、あちこちから喜びの声が聞こえて来るので、静かにしていてもそういう楽しみ方なのだろうと思いました。

とはいえ、全く身体を動かさないライヴには少々違和感を感じるので、次の渋谷AXでは大いに首を降っていきたいと思います。


以上、東方神起ファンに囲まれての帰りの夜行バスの中で、思い出されるままに書いてみました。

Set List
  1. Dream Is Collapsing [Hans Zimmer]
  2. Bridges in the Sky
  3. 6:00
  4. Build Me Up, Break Me Down
  5. Surrounded
  6. The Root of All Evil
  7. Drum Solo
  8. A Fortune in Lies
  9. Outcry
  10. The Silent Man
  11. Beneath the Surface
  12. On the Backs of Angels
  13. War Inside My Head
  14. The Test that Stumped Them All
  15. The Spirit Carries On [with Petrucci and Rudess Intro]
  16. Breaking All Illusions
  17. Pull Me Under [Encore]


DREAM THEATER / The Count of Tuscany この映像、是非とも商品化して欲しい!

って、この映像そのものではなく、スクリーンに映し出された映像のことです。

昨年7月24日、ロンドンのヴィクトリア・パークで行われた High Voltage Festival の DREAM THEATER のステージから。

Dream theater – The Count of Tuscany (part 1)
Live at the High Voltage Festival 2011



http://www.youtube.com/watch?v=RVuyHW7mrcc

Dream theater – The Count of Tuscany (part 2)
Live at the High Voltage Festival 2011



http://www.youtube.com/watch?v=Lf6sXh7ouc4


「The Count of Tuscany」のイントロが始まった頃がちょうど日没を過ぎたくらいで、ステージの照明と場内中央に設置された巨大な観覧車のイルミネーションに加え、徐々に深まりゆく大自然の夜の帳が最高の演出効果をもたらしていました。

見どころは、、、

2つ目の動画の9分22秒くらいの、ステージから見て右側の最前列、白いTシャツを着ている背の高い兄ちゃんの隣(外側)がたぶん私だということ(笑)

ではなく、後半のギターソロ!

演奏だけでなく音響が実に素晴らしく、息を呑む美しさはまさに夢劇場でした。最後、ゆっくりと、そして高々と右手を上げる姿がかっこいいジョン・ペトルーシ。ああ、なんていい男なんだ!僕はこの時、このマッチョなおっさんに恋をしてしまいました(笑)なんちゃって。冗談はさておき、ペトルーシの惚れ惚れするプレイにはただ口をポカ~ンとするばかりでした(´Д`)。

そして、手拍子から再びギターソロ、最後にジョーダン・ルーデスのキーボードとジェイムス・ラブリエのヴォーカルに導かれての合唱へ。マジ泣きしそうなほどの感動の連続です。

この曲は一昨年のサマソニでも体験しましたが、今回はドラムがマイク・マンジーニ。ジョーダンと楽しそうに会話している表情が見えます。ジョン・マイアングが淡々とプレイに専念しているのはいつも通りですね。


演奏と同じくらいカメラワークもプロフェッショナルで、まるで後から編集したような良い映像ばかりですが、れっきとした生ライヴの実況中継。しかもそれを一般客が撮っているから生々しく、その時の記憶が鮮明によみがえってきます。

この後、ステージはアンコールの「Learning To Live」へ移るのですが、これがまた鳥肌もの。1992年のリリース以来約20年。何千、何万回聴いたか分からないこの曲を初めて生で体験することができて、長年の念願がかなった思いがします。先述の白T兄ちゃんは全力でエア・ドラムをやっていました。

終了後、前方のオーディエンスは、誰彼構わず、狂ったようにハグしたり握手したり、称賛の雄叫びをあげたり。大満足のライヴでした。


おかげで、余韻に浸りながら帰ったために、地下鉄の乗る方向を間違えて終電・終バスを逃していまいました(^_^;)
そのことについては後日書きたいと思います。






Dream Theater / A Dramatic Turn of Events



時間がなくて、7月に行ったロンドンの日記すらまだ書けずに困っているところに、とんでもないアルバムを出したDREAM THEATERはホント迷惑です(笑)。睡眠時間がまた減ってしまいました_/乙(、ン、)_、、、寝ずに何度リピートしたことやら。

マイク・ポートノイを愛する者としては切ないほどに名盤で、ジョン・ペトルーシファンとしてはガッツポーズが止まらない傑作。

まるで両親に離婚された子供が父親の所に行こうか母親の所に行こうか悩んでいるかのように、最初は複雑な心境でしたが、聴けば聴くほどに素晴らしく、4周目くらいからようやく「ポートノイ脱退」の悲しみよりも「マンジーニ加入」の喜びの方が大きくなってきました。

冒頭に書いたロンドンでの新生DREAM THEATERライヴで、その気持の整理は克服出来たと思っていたのですが、新譜を聴いて蘇ってきたトラウマのようなマイキー・ショック。そう思わせるほどに今回のアルバムは「新しくなったDREAM THEATERの再出発」を高らかに宣言したかのような内容になっています。

『Awake』や『Metropolis Part 2: Scenes from a Memory』(追記:『Images And Words』)の頃に戻ったかのような印象も受けますが、そこにジョン・ペトルーシ、ジェイムズ・ラブリエ、ジョーダン・ルーデスが各々のソロでやってきた要素が自然な形で融合されており、しかもこれが今まで聴いた中で最高に良いので、リリース前のメンバーの自信に満ちたインタビュー発言もさもありなん、と納得させられました。今までラブリエのソロを聴いて「彼のソロは良いんだよな~」と思っていましたが、まさかその持ち味がこのような形で発揮されるとは思ってもいませんでした。

タイトルについては、伊藤政則氏の解説によると
「A DRAMATIC TURN OF EVENTS」――何となくマイク・ポートノイの脱退と新生DREAM THEATERの旅立ちを想起させるタイトルだが、このタイトルを考え出したジョン・ペトルーシは、「それは偶然だ」と話している。彼は曲の歌詞が完成したとき、そこに一貫したテーマがあることに気がついた。それは、どの曲も何らかの大きな出来事(Big Events)を題材として扱っていて、それが様々な形で変容していったという事実だった。楽曲(歌詞)の成り立ちと、その変容の軌跡は、まさに「A DRAMATIC TURN OF EVENTS」ではないかと感じ取ったわけである。
そうですが、危機的状態でも狼狽ぶりを見せることなく、己の才能で未来を切り開き、進んで行くピエロのジャケットが意味深です。

それにしても今回のドラマー交代騒動が結果的にプラスに働いたことを思うと、一層、マイク・ポートノイも同時に応援したくなります。ジョン・サイクスと絡むのも良いですが、個人的には、ラッセル・アレン、マイク・オーランドとの最強プロジェクト、ADRENALINE MOB でもっと精力的にアルバム制作、ライヴをやって欲しいと強く望みます。

ちなみにこれ↓がロンドンで撮ったマンジーニ加入後のライヴ。途中で止められてしまっていますが。
(写真は後日公開します)

DREAM THEATER @High Voltage Festival


http://www.youtube.com/watch?v=K9504Zuk7sk




2011年09月06日のCDアルバムデイリーランキングを受けてのfacebookのコメントには胸が熱くなりました。
We’ve always said we have the best fans in the world–they never fail us! This includes our dear friends in Japan who’ve been through so much this year. Today, we heard from our label that our new album A Dramatic Turn Of Events went in on the day of release–at #1 on Total Album Sales Chart! That’s the chart for both the domestic and international artists. We are massively proud! Thanks to all the believers! And Japan, stay strong!

いつも言っていることだけど、我々には世界中に最高のファンがいる。そして、彼らは僕たちを決して裏切ることがない!その中には今年(地震などで)たくさん辛い思いをした日本の仲間もいる。今日、レーベルを通して、新譜の『A Dramatic Turn Of Events』がリリース日のアルバム売上総合ランキングで1位をとったことを聞いた!国内外総合のチャートでだよ。とても誇らしい!信じてくれたみんな、ありがとう!がんばれニッポン!


今回こそは是非とも来日して欲しいです。



時間が無いので簡単に各曲の感想です。詳しくは後日書くかも?

1. On the Backs of Angels

初めて聴いたときは、かなり興奮したもののなぜか「サビがつまらない」と一気にテンションが下がっていたのですが、今聴くとその時の心境が理解できません。キーボードが印象的。ロンドンでのライヴではアルバムどおりの完璧な演奏でした。リリース前、来日前にライヴを体験したことは死ぬまで自慢し続けるでしょう(笑)

2. Build Me Up, Break Me Down

DTでは新機軸な曲ですが、ラブリエのソロではよく聴くタイプ。2曲目にこれがあることによって、その意外性に戸惑いました。個人的には『Awake』の「Caught In A Web」的な立ち位置の印象。


3. Lost Not Forgotten

最初の2曲も良いですが、ここから俄然良くなります!最初のピアノだけでは気づきませんでしたが、これって「Under A Glass Moon Pt.2」?(笑)と思うような最初と最後。ギターソロがかなり好き!

4. This is the Life

イントロのギター・アルペジオが非常にツボ。このアルペジオは「Another Day」「Hell’s Kitchen」「A Nightmare to Remember」「The Count of Tuscany」に出てくるのと同じくらい好きです。前作で言うなら「Wither」と「The Best of Times」、MP2なら「One Last Time」に通じるかも?

5. Bridges in the Sky

最初と最後のシャーマンの声に最初は「何?」と思いましたが、荘厳でドラマチック、テクニカルな展開が好きです。イントロからギターリフの出だしは往年のイングヴェイを思わせされました。そしてサビのヴォーカルと、その時のドラムが良いです!その後、キーボードのオーケストレーションを経てソロへ続くあたりはまるでブラームスやマーラーなどの大規模な交響曲を聴いているようで快感!

6. Outcry

本作中では前曲とこれが最もDTらしい?インスト部分と、ヴォーカルが戻ってくるところが好きです。思う所がたくさんありすぎて書き切れません。「Metropolis Pt.1」「Fatal Tragedy」「Home」「The Dance of Eternity」「In the Presence of Enemies」的!

7. Far from Heaven

ジョーダンのキーボード、特にストリングスの音色が美しくて癒されます。SECRET GARDENのようで、今にもheavenに昇りそうな気分になります。

8. Breaking All Illusions

テクニカルな中にポップな要素があり、最近聴いた中ではSYMPHONY Xの「Reign in Madness」と同じくらい好き。YESやKING CRIMSON、PINK FLOYDを感じさせるところも良いし、ギターソロは「Falling into Infinity」の頃の感覚もあって素晴らしいです! ジョン・マイアングの書いた「生き方を変えて何か新しいことをするためには、古い殻を脱ぎ捨てなければならない」というテーマも興味深く、日本に必要な“Breaking All Illusions” 「増税不可避」「電力改革不可能」の幻想を捨てよと論文のタイトルにも使われるほど。ラストは映画を観終ったような感覚になります。

9. Beneath The Surface

大作の最後を飾るバラードの小曲。映画終了後のエンドロール、あるいは満腹後のお茶漬けみたいで、後味が爽やかです。位置づけ的に、LIQUID TENSION EXPERIMENT『2』の「Hourglass」やMARILLION『Brave』の「The Great Escape」を思い出しました。

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