生徒諸君!

 今年から連続ドラマを見るようにしています。『ハケンの品格』の次に見たのがこの『生徒諸君!』です。原作は庄司陽子さんの『生徒諸君!教師編』ですが、そんなことも知らずに、内山理名さんが出るそうな、という感じで見始めました。結論から言うと、後半はかなり感動しましたが、最初の頃は重いテーマにあわない軽いノリのテンションについて行けず、戸惑いました。訴えたいメッセージは強く伝わってくるのですが、ストーリーの強引さと、内山さん演じる北城尚子の不自然なキャラクターに首を傾げてしまいました(ちなみに内山理名さんは好きです。演技ではなく人格設定が今ひとつ馴染めなかったのです)。善意に解釈すれば、あまりに暗いと視聴者が辛くなるから、という製作者の配慮なのでしょうか。しかし、現実は視聴率が伸び悩んでいたようで、一体どうなることかと思いながら見ていました。
 そんな中、生徒達の演技には非常に共感するところが多かったです。大人に対する不信がなぜ起きたのか、次第に明らかになるのですが、このようなことが大なり小なり現実に起きているのだろうなあ、と思うと何ともいえない気持ちになりました。そこを、北城尚子が持ち前の明るさ(と無謀さ)で子どもたちの心を開かせようと奮闘します。「今度の先生は今までと違う」と揺らいでゆく生徒達の心の葛藤が見どころだと思います。引きこもりを克服する白井直輝(若葉竜也さん)や、北城とのバスケの勝負を機に人間的に大きく成長する木下薫(岡田将生さん)など、生徒一人一人が輝いていたと思います。そして圧巻だったのは、樹村珠里亜役の堀北真希さんの演技力でした。「あんたなんて生まれてこなければ良かったのよ」と、伯母から、これ以上人を傷つける言葉はない罵りを浴びせられながら、母に「私のことを生んでくれて有難うね」と言うシーンは涙を禁じ得ませんでした。それまで特にファンというわけではありませんでしたが、今回最も印象に残ったのが堀北真希さんでした(あと岡田さん)。人間にとって、存在意義を奪われること以上に辛いことはないのだとよく分かりました。いわゆるトラウマよりも恐ろしい、苦悩の根元なのではないでしょうか。  最終回の、1対多のドッジボールの場面、そして「俺達にもう、あんたはいらない」の台詞が、第1話と重なる演出は、ありがちながらも、生徒の成長がうまく表現されていて良かったです。
 中学生といえば子供でもあり、同時に大人の一面も持った複雑な時期です。「子供だから」と思って油断していると、大人の欺瞞を鋭く見抜かれ、些細なことで信頼を失ってしまうことでしょう。接し方に気をつけねばと思います。明橋大二氏の『10代からの子育てハッピーアドバイス』から「子どもを非行や犯罪から最後に守るのは、ルールやしつけではなく、親から大切にしてもらったことから、自然と出てくる、「この親を裏切れない」という心です」という言葉を思い起こさずにおれませんでした。
 最後に、音楽ですが、YUI さんの「My Generation」が効果的に使われていたと思います。楽曲的にはヴォーカルよりもギターの方が好きですね。特にイントロ。
YUI My Generation / Understand
↑ あ、Understand はドラマとは関係ありません。


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明橋大二・伊藤健太郎・高森顕徹 ~ なぜ生きる

【2010.09.02 追記】 これを書いていたときは知りませんでしたが、紹介している本の著者・監修者について、最近、以下の投稿を読んで深く考えさせられました。当記事をお読みになる前に下記リンクを是非とも参照してください。 ・明橋大二医師と親鸞会高森顕徹著「光に向かって100の花束」は大沼法龍の著作のパクリです: さよなら親鸞会 (注)「親鸞会」とは、この本の監修者が会長をつとめる団体です。
『子育てハッピーアドバイス』シリーズで有名な精神科医・明橋大二さんと、哲学者(と巻末にはありますが詳細は不明)の伊藤健太郎さんとの共著です。監修者の高森顕徹さんは、浄土真宗親鸞会会長というよりは『光に向かって』シリーズの著者として知られていますね。医者と哲学者、仏教者という“異色のコラボ”ですが、この三方をつなぐテーマが“なぜ生きる”です。確かに、これは生きている人になら皆に共通するテーマかと思われます。そういう意味で、全ての人にお薦めの1冊です。
 そしてこの『なぜ生きる』の英訳本が『YOU WERE BORN FOR A REASON – The Real Purpose of Lifeなのですが、普通に考ると『WHY DO WE LIVE?』としたくなるところをこのように訳されているあたりは、原書の内容を端的に表しており、題名だけで引き付けられます。翻訳者は同志社女子大学の Juliet W. CARPENTER 教授で、その監修者・Edward G. Seidensticker さんは、『雪国』『伊豆の踊り子』なども手がけられた方です。川端康成ノーベル文学賞に輝いたのも、サイデンステッカー氏の貢献が大きいとも言われます。
「なぜ生きる?」と問われて、違和感を感じる人も少なくないかもしれません。「そんなこと考えなくても生きてゆけるよ」あるいは「人から教えられるものではなく、各自で見つけるものだ」と思っている人も多いでしょう。私は後者でした。ではその考えで本当に後悔のない人生となるのか?本書で詳しく考察されています。
 2部構成になっており、第一部では“直面する問題点を中心に、文学者や思想家の人生論を掘り下げてみた”とあるように、様々な文献が引用されているのが面白いです。5、6挙げただけでもニーチェ、村上春樹、江藤淳、宮台真司、建設物価調査会会計検査資料、『女性セブン』……など、多岐にわたっています。B’z宇多田ヒカルの言葉もありますので、ファンの方はチェックしてみらては如何でしょうか(ちなみに英訳版では宇多田ヒカルではなくマイケル・ジョーダンになっています)。  第二部は、親鸞聖人の言葉を通し、「なぜ生きる」の答えが明らかにされています。有名な『歎異鈔』を読もうとされている方は、こちらを先に読まれた方が、理解しやすくなるのではないかと思います。
 何しろ大きなテーマを扱っているので理解不足のところも多いですが、“人生の目的”と言われる程のことです。人生かけて取り組むべき問題なのでしょうね、きっと。繰り返し読んでみたい本だと思いました。ポイントは“なぜ生きる”と“どう生きる”、“人生の目的”と“生きる手段”の違いを明らかに知る、ということでしょうか?

なぜ生きる:高森顕徹/明橋大二・伊藤健太郎(1万年堂出版)



(関連) 「建築に夢をみた」 ラーニングハイの男 生活ノート お気楽奥さん 集まれ! 人生漫遊記 『なぜ生きる』 YOU WERE BORN FOR A REASON

滝井秀典 ~ 1億円稼ぐ検索キーワードの見つけ方

「ノミはノミの糞をし、象は象の糞をする」という言葉があるように、お金を持たない私の財欲は可愛らしいもので、1億円よりも目の前の10万円の方が魅力的に映ります、、、( ̄。 ̄)  という訳で、この本を手にした動機も「1億円稼ぎたい」というよりも、検索キーワードの仕組みを知ろうと思ったからで、統計学的考察が面白かったです。実践的なことよりも理論を好むのは、理系の人間の悲しき性なのでしょうか。
 最近よく耳にするWeb 2.0ですが、現実世界の常識がいとも簡単に破られる……というか、現実の「あたりまえ」が通用しないのがネット空間なのだと思いました。
 たとえば、新聞や雑誌の広告では、商品によって反応は大きく変わるものなのでしょうが、キーワードマーケティングではクリック率10%、コンバージョン率1%はほぼ変わらないという事実があるようです。ただし、「キーワード広告で1位を表示し続ける」とか「検索キーワードが10万件以下のニッチキーワードである」などの条件下においてですが。では、なぜそのような現象が起きるのか?こう説明されています。
 つまりこういうことだ。  私たちがキーワードを検索エンジンで調べたときの広告が表示される条件は、どんなキーワードでもほとんど変わることがない。みな同じようなパソコンの画面の、同じようなインターネットブラウザを使い、同じような条件の検索結果を、みな同じように必ず1ページ目のどこかをクリックする。新聞広告のように、「スペースの大きさ」「色使い」などに人の反応率が左右されることは一切ない。だからどんなキーワードでもクリック率にほとんど差が出ないと考えられる。
うむ、なるほど、言われてみればその通り、納得です。
 また、インターネットは「べき法則」に従うという項目も興味深かったです。「べき法則」とは、正規分布の反対概念で、「少数のほんの上位が突出して数を稼ぎ、大多数の下位が少数を分け合う」現象と説明されていますが、物理的な制限のない、ものすごく数値の大きいものと最小単位のものが同時に存在する世界でこの法則性が生ずるようです。以下、本書の説明をまとめると、
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“人間の身体には物理的制限があるのでどんな巨大な男でも身長5mの人間はいない”し、“駅前商店街の集客数は、駅を利用する人数や駅前の店数に場所的な制限がある”から「べき法則」にはならない。つまり正規分布になる。
 一方、“プロゴルファーの賞金額が8桁だろうが20桁だろうが、誰も困ることはない”し、“言葉の種類がいくつあってもこの地球は存在できる”。こういう世界は、とんでもない差があるのに全く同じ世界に同時に存在することができる、すなわち「べき法則」が成り立つ。
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 とのことです。
 では、こういう世界で如何にビジネスを継続してゆくか?関心のある方は、ご一読あれ。なお、「おわりに」の中から、共感した以下の文章を引用させていただきます。
 多くの人が、「お金が足りない」と考えているようだ。しかし、私はあなたに尋ねてみたい。  あなたが、本当に失っているものは「誇り」ではないのか? (中略)悩める人を見つけ、その人を全力で助け、お礼にたくさんのお金をもらう。そのお金を使ってより多くの人を助けるために、自分自身の事業に再投資をはじめる。そして、次の助けを求める人を探しに新たな旅に出る。  それが商人だと、私は思う。  それが誇りある人生だと、私は信じる。
「金を使う人間になっても、金に使われる人間にはなるなよ」とはよく言われたものですが、失いたくないもの、それが「誇り」ですよね。
(関連) 滝井秀典 キーワードマーケティング・ブログ べき乗則とは パレートの法則(壱) パレートの法則(弐) ロングテール Zopeジャンキー日記

Filed under: ★新書・単行本など  タグ: , , , , , , ,   charlie432 00:00  Comments (0)
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