チャイコフスキー ~ 交響曲第6番

Tchaikovsky
『悲愴』の名で知られるこの曲、正直なところ「結構明るいところもあるのでは?」という印象があり、マーラー『悲劇的』の方が好きなのですが……。でも、いかにもチャイコフスキーらしい名曲ですね。 (^^;ゞ
 3日の夜、某漫画家さんの誘いにより、東京国際フォーラムで聴いてきました。ドミトリー・リス指揮、ウラルフィルハーモニー管弦楽団でした。
 ホールA1階45列、かなり後ろのほうだったので、あまり良く見えませんでしたが、第3楽章がかなり熱演で、思わず拍手が沸き起こりました。一瞬「え、終わり?」と思ってしまいました。
 しかしこの曲はやはり第4楽章が命でしょう。第1楽章同様、出だしのいかにも「ロシア!」って感じが好きです。そして最後、静かに終わってから拍手までの沈黙の緊張感が良かったです。
 チャイコフスキーは、弦楽四重奏曲第1番が好きで、この『悲愴』にはあまり思い入れがなかったのですが、今回改めて好きになりました。
 会場では『のだめ』関連のCD販売が盛況で、「今、クラシックって流行ってるんだ」と実感しました。すみません、最近は DREAM THEATER がマイブームで気づきませんでした。 (–;ゞ

ヤナーチェク / シンフォニエッタ、タラス・ブーリバ

ヤナーチェク
 チェコの音楽といえばドヴォルザークスメタナが圧倒的に有名で、ヤナーチェクの影が薄い気もしますが、個人的には好きです。
 で、このCDはヴァーツラフ・ノイマン指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏です。

 「シンフォニエッタ」
第1楽章(Allegretto)  トランペットによるファンファーレですが、同時にティンパニーも印象的で耳から離れません。
第2楽章(Andante) 「トムとジェリー」のようなアニメの、BGMに使えそうな曲です。
第3楽章(Moderato)  非常に美しく、悲しげに始まりますが、途中から金管楽器による勇壮な曲調に変わります。
第4楽章(Allegretto)  素朴でほのぼのとしたメロディが覚えやすいです。私のヤナーチェクに対するイメージはこんな感じです。
第5楽章(Andant con moto-allegretto)  ドラマを予感させるかのような出だしが素晴らしいです。ただ、中だるみする印象は否めません。第一楽章が再現されてから、終わるまでは感動的です。


「タラス・ブーリバ」
第1部「アンドリイの死」  この曲の出だしは非常に好きです。映画音楽に使えそうな素晴らしさです。特にオーボエの音色に背筋がゾクゾクします。
第2部「オスタップの死」  出だしの弦楽器が良いですね。騎馬戦に破れて捕えられたオスタップがワルシャワの刑場にひかれてゆく緊張感を表しているのでしょう。
第3部「タラス・ブーリバの予言と死」  タラスの不屈の精神を表すメロディが色々と変化しながら進行します。最後はドラマチックで良いと思います。



 と、まあこんな感じで、局所的には凄く良いところがあるのですが、長続きせずに散漫な印象を受けなくもありません。金管楽器が活躍してマーラーR・シュトラウスっぽく聞こえるところもありますが、それらに比べると、やや及ばない気がします。  「傑作だ!」とは言い難いですが、たまに聴くと「お、結構いいかも」と思うところが多い点において、佳作といったところでしょうか。
(参考) ベルリン中央駅 Maestro! 海外旅行紀行・戯言日記 ダークサイドへようこそ 古典 ヤナーチェク タラスブーリバ Leos Janacek Page & Janacek Association Japan ヤナーチェク ゴーゴリ作「タラス・ブーリバ」(1834) あらすじ (続きを読む…)

Filed under: ヤナーチェク  タグ: , , , , , , , , , , , , ,   charlie432 19:56  Comments (2)

モーツァルト~協奏交響曲変ホ長調 K364

モーツァルト協奏交響曲
 モーツァルトに名曲は数多くありますが、私は、中でもこれが非常に好きです。表面的には明るい曲調なのに、全体的にどこか寂寥に満ちた感じがするところに魅力を覚えます。寂しく、悲しい、暗い曲といえば、交響曲の25番40番ト短調の弦楽五重奏曲などが秀逸ですが、この協奏交響曲もなかなかの名曲だと思います。
 彼は天才なるが故に、凡人に認められない憂苦を抱えていたのではないでしょうか。映画『アマデウス』は、凡人の苦しみが描かれていますが、同時に天才の苦悩も感じずにおれません。そのフラストレーションを曲にぶつけた結果が、上記のような名曲となったのかも知れません。
 さて、この協奏交響曲ですが、独奏楽器はヴァイオリンヴィオラ。日頃ヴィオラを好んで弾いていたモーツァルトはこの曲にある仕掛けをします。その仕掛けとは……
  1. 独奏ヴァイオリンとヴィオラはほとんど同じ旋律を、まるで競い合うように弾き合う
  2. ヴィオラの調性を上げ(つまり半音上げチューニング)、ヴァイオリンに劣らぬ響きを出し、存在感を持たせる

 これにより、どんな効果が生まれたのか?これこそモーツァルトによる無言の上司批判!だったのです。
 当時、ザルツブルクコンサートマスターを努めていたモーツァルトは、雇い主である大司教コロレドと犬猿の仲でした。というのも、自由に、新しい発想で音楽をやりたいと思っていた天才モーツァルトにとって、彼の深い芸術性を理解してくれないコロレドは、目の上のたんこぶでしかなかったのです。しかも彼は、ブルネッティというヴァイオリニストが大変お気に入りで、ことある毎に彼を誉め、モーツァルトの芸術には目もくれないのです。
 息子を案ずる父レオポルドの手前、表だってケンカをすることも出来ず、モーツァルトは、ブルネッティのヴァイオリンと自分のヴィオラを比較させることによって、歴然とした実力の差を見せ付け、コロレドの鼻を明かそうとこの曲を書いた、という訳なのです。
 人は「天才」を羨み、あこがれますが、「変人と紙一重」と言われるように、一般人に理解されない宿命を背負わねばならないのも現実のようです。
 作家であれ、芸術家であれ、どんなに自信があっても自分の作品が認められないと、悲しいものですよね。下手すると創作意欲の低下につながりかねません。 「私の時代が来る」と言って、死後評価が高まったマーラー然り、天才とは悲しき存在なんですね。
 その点、他人の批評をひどく気にして何度も加筆修正したブルックナーは、可愛らしく愛着を感じてしまいます。



(参考) Mozart con grazia ウィキペディア うっちいの音楽箱! コロレド大司教はホントに悪者? 少年少女のためのモーツァルト物語

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