アルバムジャケット展覧会(5) [地獄絵図]

← 食卓のお肉ができるまで というサイトの冒頭、「年間、数十億の動物が毎日毎日殺害されています。残酷ですね。でも、これらに目をそむけて肉食しているほうがもっと残酷だと思うのです。家畜には、私たちが想像していたような安楽死はありません。」というのを読んで、確かに人間ほど残酷な生き物はないと思いました。
 仏教には「自殺」「他殺」「随喜同業」という言葉があり、「自殺」とは自分で生き物を殺すこと、「他殺」とは他人に命じて殺させること、「随喜同業」とは他人が殺生をしているのを見て喜ぶ心があれば同罪だ、ということだそうです。
 屠殺場に従事している人は「自殺」が仕事、肉屋が毎日していることは「他殺」、そして我々が、うまいー(´ー`)ー!と肉を食べていることを「随喜同業」というのでしょう。
 毎日、残虐な事件をみるにつけ、「何とむごいことを!それでも人間か!」と我々は思っていますが、動物の目からすれば、人間ほど残酷な生き物はいないに違いありません。動物は、生きて行く上で必要の無い殺生はしないと言われます。だから「あいつは人間の皮をかぶった獣だ!」といったら、本当は極めて心の優しい人のことを言うのが正しいのかも知れませんね。
 殺生せずしては生きては行けない……これが人間の偽らざる姿ですが、それを認めた上で、生き物の生死を見つめ、命の尊さを知ることが大切なのではないでしょうか。まだ観ていませんが、賛否両論といわれる「ブタがいた教室」は興味深く、いつか観てみたいと思います。

 さて、そんな我々人間は、殺生の罪一つとっても大変罪深い存在ですが、他にも「妄語」とか「偸盗」などの悪が経典では説かれています。「地獄ゆき」と言われて文句の言える人はいるのでしょうか。
 昔から「地獄絵図」などが描かれてきたのは、そのような恐ろしい人間の真相を教えんがためのものなのでしょう。有名なものに、源信僧都『往生要集』がありますが、今回は「アルバムジャケット展覧会」ということですので、CANNIBAL CORPSE のジャケットを集めてみました。カンニバル・コープス……直訳すると「人食いの死体」ですが、地獄絵図を思わせる気持ち悪さです (続きを読む…)

SLAYER / Hell Awaits

 元旦の挨拶といえば、「明けましておめでとう」が一般的ですが、頓智(とんち)で有名な一休は“正月に、杖の頭にドクロをしつらえ、「ご用心、ご用心」と叫びながら練り歩いた”そうです(Wikipediaより)。
 確かに、1年過ぎたということは、それだけ死に近づいていることであり、正月に亡くなっている人もいるわけで、必ずしも全ての人に「めでたい」日ではないようです。
 では、「めでたくない」人とは、どんな人か、、、ふと手にしたスレイヤーのアルバムを見て思ったのがこれです。
「Hell Awaits」。1985年、SLAYER の2ndです。アルバムタイトルといい、ジャケットのデザインといい、正月に聴く(観る)にはまさに「めでたくない」1枚!(笑)
 しかし、知人で寺の息子のU君の話によると「僕は小さい頃から地獄絵図を見て育った」そうで「“地獄とは怖いものだ、悪いことをしたら地獄に堕ちる”と幼心に、知らず知らずのうちに学んだと思う」と言っていました。なるほど、こういう絵を教育のために見せるのも良いことかもしれない、と思いました。→『いちばんくわしい 地獄大図鑑』
 さて、その仏教で「地獄」についてどう教えられているか調べてみると、
「八大地獄」及び対応する罪
  • 等活地獄 – 殺生
  • 黒縄(こくじょう)地獄 – 殺生・盗み
  • 衆合(しゅごう)地獄 – 殺生・盗み・邪淫
  • 叫喚地獄 – 殺生・盗み・邪淫・飲酒
  • 大叫喚地獄 – 殺生・盗み・邪淫・飲酒・妄語
  • 焦熱地獄 – 殺生・盗み・邪淫・飲酒・妄語・邪見
  • 大焦熱地獄 – 殺生・盗み・邪淫・飲酒・妄語・邪見・「尼僧への強姦」
  • 阿鼻地獄無間地獄とも) – 殺生・盗み・邪淫・飲酒・妄語・邪見・「尼僧への強姦」・「仏教に対する不信心、特に五逆罪の1つを犯す、さらに正法を誹謗するを重罪とす」
とあるようで、日本では、平安時代の僧侶、源信僧都『往生要集』に詳しく記されているようです。  自業自得でこの世の「自業苦(じごく)」に苦しむ人が、死んで陥る苦しみの世界が「地獄(じごく)」とも聞いたことがあります。
 そんな地獄絵図を思わせるジャケットのこのアルバム、1曲目「Hell Awaits」の冒頭で「西行法師、西行法師……」と聴こえるとか聴こえないとか。いかにも地獄で苦しんでいる人のうめき声のようで雰囲気が出ています。スレイヤーといえば、次の「REIGN IN BLOOD」を最高傑作とする人が多いのでしょうが、この2ndもなかなかの出来、音質が悪いのがプラスになっていると思います。
「本当に地獄堕ちたら、こんなカッコイイ曲聴けずに苦しむのだろうなあ」なんて不謹慎なことは言いません。(゚艸゚)
Hell Awaits

Links: メタル馬鹿一代 Metal WarriorのまったりLife たまに聴くこんなCD Slayer このCDを買え!

Track List: 1. Hell AwaitsVideo(CRADLE OF FILTH によるカヴァー) 2. Kill AgainVideo 3. At Dawn They SleepVideo 4. Haunting The Chapel* → Video 5. Praise of DeathVideo 6. NecrophiliacVideo 7. Captor Of Sin* → Video 8. Crypts of Eternity → Video 9. Hardening of the ArteriesVideo
*オリジナルは7曲。(4)と(7)は1stと2ndの間のミニアルバム「Haunting the Chapel」からの追加収録

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とどろき ~ 平成19年9月

 今は亡き、父方の祖母が浄土真宗の門徒で、小さい頃、よく親鸞聖人に関する書物などを見せてもらったことがあります。だから、おぼろげながらに覚えているのが『正信偈(しょうしんげ)』というものです。「偈(げ)」というのは「歌」という意味だそうで、確かに単調ながらもリズム感、メロディがあるように思います。昔は、朝晩の食事の前に、仏壇の前で『正信偈』を拝読しないとご飯を頂けなかったと何度か聞かされました。
 その冒頭が
 帰命無量寿如来(きみょうむりょうじゅにょらい)  南無不可思議光(なむふかしぎこう)
というもので、TVの葬儀の場面などでたまに聞こえてきます。てっきりお経だと思っていましたが、お経ではありません。お経とは、釈迦が説かれた説法を書き残されたものですが、この『正信偈』は親鸞聖人が書き残されたもので、全く違うものです。
 7文字×120行=840文字の漢字で書かれているので、はっきり言ってどんなことが書かれているか、相当の覚悟がないと読めないように思われます。その『正信偈』を毎月少しずつ解説されている「言葉の宝石 正信偈」も、今月79回を迎え、全体を俯瞰(ふかん)した説明がなされています。非常に分かりやすかったので、以下に要点を書き残しておきます。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 
帰命無量寿如来(きみょうむりょうじゅにょらい) 南無不可思議光(なむふかしぎこう)
「阿弥陀如来に親鸞、救われたぞ、阿弥陀如来に親鸞、助けられたぞ」と、絶対の幸福に救い盗られた自らの体験を叫ばれたもの。二回同じことを繰り返されているのは、何度書いても書き足りない喜び、どれだけ言ってもいい足りない満足を表している。

法蔵菩薩因位時(ほうぞうぼさついんにじ) 乃至 必至滅度願成就(ひっしめつどがんじょうじゅ)
 救って下された阿弥陀如来の偉大な本願力を絶賛されているところ。

如来所以興出世(にょらいしょいこうしゅっせ) 唯説弥陀本願海(ゆいせつみだほんがんかい)
 釈迦の説かれたことは、弥陀の本願以外にはなかったと断言されているところ。

 その後、「釈迦がどんなすごい弥陀の本願を説かれていても、伝える人がなかったら、親鸞、救われることはなかったに違いない」と、インド、中国、日本の高僧方の教えを紹介され、功績を讃えられる。

龍樹大士出於世(りゅうじゅだいじしゅっとせ) 天親菩薩造論説(てんじんぼさつぞうろんせつ) 本師曇鸞梁天子(ほんしどんらんりょうてんし) 道綽決聖道難証(どうしゃくけっしょうどうなんしょう) 善導独明仏正意(ぜんどうどくみょうぶっしょうい) 源信広開一代教(げんしんこうかいいちだいきょう) 本師源空明仏教(ほんしげんくうみょうぶっきょう)
 インド:龍樹菩薩、天親菩薩  中 国:曇鸞大師、道綽禅師、善導大師  日 本:源信僧都、法然(源空)上人      ↑  七高僧という
 まとめて最後に「弘経大士(ぐきょうだいじ)・宗師等(しゅうしとう)」
 その目的は「無辺の極濁悪(ごくじょくあく)を、拯済(じょうさい)する」ためであった。 「拯済」とは「救う」こと。「「弥陀の救いに導く」こと。 「無辺」とは、数限りもないということ。 「極濁悪」とは「極めて汚れた、悪に染まった極悪人」ということ。
「七高僧方が、身命を賭して弥陀の本願を布教されたのは、極悪の親鸞一人を助けるためであった。そのご苦労なかりせば親鸞、この身に救い摂られることはなかったであろう、なんと有り難いことか」という、限りなき感謝の表明。

道俗時衆共同心(どうぞくじしゅぐどうしん) 唯可信斯高僧説(ゆいかしんしこうそうせつ)
「人々よ、本当の幸福に救われるには、ただ、この高僧方の教えを信じてくれよ。弥陀の本願を聞きひらけよ。それ以外には、絶対にないのだから」と勧めておられるお言葉。

    2012年5月
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