★゜・。。・゜゜・。。・゜☆ 2007年04月11日 ☆゜・。。・゜゜・。。・゜★
山崎豊子 ~ 華麗なる一族(下)
「ああ、燃えている、燃えている、大の字が!」
大文字の送り火を見ながら、阪神銀行頭取の万俵大介と、大同銀行の専務・綿貫千太郎との懇談から始まるこの下巻、出だしから大介のワルぶりが見事に表現されており、読み進めるにつれ、先の展開に目が離せなくなります。それまでの上・中巻をはるかに上回る面白さだと思います。「早くもクライマックスか」と思うところが何度もありました。
それにしても、大介は『白い巨塔』の財前よりも悪党だと思わずにおれません。しかも、こんな狡猾な男が実在しそうなリアリティをもって迫ってくるので、大変読みごたえがありました。「まるで○○さんみたいだ」と思わせる一幕も…… (-_-;
圧巻は本の半ば以降で、最後まで読み終えると、それまでの内容が終章へのプロローグに過ぎなかったと思える程、山崎豊子さんの描く壮大な世界に、ただただ息を呑むばかりです。「主人公は大介であり、“華麗なる一族”だったんですね」とスッキリしました。「一度は読んでおきたい本」として自信を持って薦められる本だと思います。
「我利我利ではいけない」と言われるように、他人を蹴落としたり、欺瞞に満ちた生活を送っていて、人は幸福になれないのだと痛感します。また、いかに熱意があっても状況判断や未来への見通しの甘さがあっては、これまた大失敗につながる、という教訓にもなりました。そういう意味で、この本の結末は抵抗なく受入れられます。
ただ一つだけ苦言を呈すると、鉄平が最後に取った行動に至るまでの、心理描写をもっと詳しく読みたかった、という気はします。どうしてあのようなことをしたのか、分かるのですが、深く掘り下げてもらいたかったです。
それはさておき、今から30年前以上前に書かれたとは思えない傑作だと思います。人間の実態を明らかにとらえ、今も昔も変わらぬ、幸福になりえない人間社会の構図が浮き彫りにされています。そして今もなお、それが繰り返されている現実に、驚かされます。
ネタバレする恐れがあるのであらすじが書けないのが残念です。ちなみに、新潮文庫の裏表紙にはかなり重要なことが書いてあるので、ドラマを見逃された方、未読の方は書店のカバーで隠して、最後まで読まないことをオススメします。
(参考) 宇宙 世田谷 emam PLUS+NEKO 自己満の読書日記 人生はタイトロープ スマートライフ・プロジェクト ~東京SE日記~ てれすこ日記
大文字の送り火を見ながら、阪神銀行頭取の万俵大介と、大同銀行の専務・綿貫千太郎との懇談から始まるこの下巻、出だしから大介のワルぶりが見事に表現されており、読み進めるにつれ、先の展開に目が離せなくなります。それまでの上・中巻をはるかに上回る面白さだと思います。「早くもクライマックスか」と思うところが何度もありました。
それにしても、大介は『白い巨塔』の財前よりも悪党だと思わずにおれません。しかも、こんな狡猾な男が実在しそうなリアリティをもって迫ってくるので、大変読みごたえがありました。「まるで○○さんみたいだ」と思わせる一幕も…… (-_-;
圧巻は本の半ば以降で、最後まで読み終えると、それまでの内容が終章へのプロローグに過ぎなかったと思える程、山崎豊子さんの描く壮大な世界に、ただただ息を呑むばかりです。「主人公は大介であり、“華麗なる一族”だったんですね」とスッキリしました。「一度は読んでおきたい本」として自信を持って薦められる本だと思います。
「我利我利ではいけない」と言われるように、他人を蹴落としたり、欺瞞に満ちた生活を送っていて、人は幸福になれないのだと痛感します。また、いかに熱意があっても状況判断や未来への見通しの甘さがあっては、これまた大失敗につながる、という教訓にもなりました。そういう意味で、この本の結末は抵抗なく受入れられます。
ただ一つだけ苦言を呈すると、鉄平が最後に取った行動に至るまでの、心理描写をもっと詳しく読みたかった、という気はします。どうしてあのようなことをしたのか、分かるのですが、深く掘り下げてもらいたかったです。
それはさておき、今から30年前以上前に書かれたとは思えない傑作だと思います。人間の実態を明らかにとらえ、今も昔も変わらぬ、幸福になりえない人間社会の構図が浮き彫りにされています。そして今もなお、それが繰り返されている現実に、驚かされます。
ネタバレする恐れがあるのであらすじが書けないのが残念です。ちなみに、新潮文庫の裏表紙にはかなり重要なことが書いてあるので、ドラマを見逃された方、未読の方は書店のカバーで隠して、最後まで読まないことをオススメします。
(参考) 宇宙 世田谷 emam PLUS+NEKO 自己満の読書日記 人生はタイトロープ スマートライフ・プロジェクト ~東京SE日記~ てれすこ日記





