花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイス(第1回)

 ベートーヴェン唯一のオペラ『フィデリオ』は、投獄された夫を助けるために奥さんのレオノーレがフィデリオと名乗って男装し、刑務所で働くというストーリーです。一方この『花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイス』は、堀北真希さん演ずる芦屋瑞稀が、棒高跳びをやめてしまった佐野泉小栗旬さん)にもう一度ジャンプしてもらうために、性別を偽りイケメン男子校にもぐりこむという学園ドラマで、興味がそそられました。
 7月3日、第一話を見ましたが、思いっきり馬鹿馬鹿しくて面白かったです!自分は男子校(結構イケメンいましたよv(^^)v)出身ですが、男子校特有の馬鹿さ加減が本当によく描かれていると思いました。冒頭から「この作品はフィクションですので、多少のことは大目に見てください」と始まる開き直りぶりも良かったです。映像に効果を入れているのか、空の青さを見ているだけでノーテンキな気分になるドラマです。そして極めつけは、校長先生が松田聖子さんという点。実は、私は松田聖子さんは歌手として高く評価しており、嫌いではないので、楽しく、高校時代の思い出と重ね合わせながら見ることが出来ました。  芦屋が女子であるとは誰も気づかぬ男子の馬鹿さ加減も見ていて爽快です。その他、ユーレイが見える生徒とか、15股かける難波寮長や難波センパイに思いを寄せるイケメン君、聖ブロッサム学園の追っかけ隊など、オモシロキャラも続々登場です。ドタバタ喜劇の要素も強いあたりは森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』のような雰囲気の青春ドラマです。あ、もちろん感傷的になったり、人生を考えさせられる場面もありますよ。
 見どころは堀北真希さんの男装演技なんでしょうね。女性であることがバレそうなピンチを乗り越えてまで学園生活を送るのは「努力はきっと報われる。あとは自分を信じるだけ」というかつての佐野の言葉がきっかけでした。さて、今はすっかり跳ぶことをやめた佐野、「彼」の出現によりどう心が動いてゆくのか、続けて見てゆきたいと思います。

↓予告CM
↓イケメン大集合


(追記) 第1~4回動画 とくダネ!

奥田英朗 ~ ガール

 かつて「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」『土佐日記』を書いたのは紀貫之ですが、この『ガール』は奥田英朗さんが30代女性の視点で書いたものです。ショートストーリーが5本収まっており、いずれも読みやすいです。初めは、男の自分に分かるのだろうかと、恐る恐る読み始めたのですが、20代後半~40代くらいの会社勤めの方なら男女問わず共感できると思います。上司と部下との人間関係、パワハラやセクハラ、社内プチ恋愛、家庭と仕事の両立……など、深刻ではないが「ハァ・・・(´o` )」と思ってしまう日常の悩みは尽きませんよね。それが、本書を読み終わると「まっ、いいか」と許せてしまう、爽やかな読後感が気持ち良いのです。長すぎず短すぎず、読みやすい文章で「奥田英朗にハズレはない」と薦めてくれた人に同感です。  また機会があれば別の作品も読んでみたいと思います。
(関連) Dolphin Kick 2007 (仮) 活字と音楽のある生活 Enjoy it every day!(日々是楽しむ・・・。) 小説レビュー:なーんとなく本を読む 偏り気味の読書生活

Filed under: お:奥田英朗  タグ: , , , , ,   charlie432 00:00  Comments (2)

生徒諸君!

 今年から連続ドラマを見るようにしています。『ハケンの品格』の次に見たのがこの『生徒諸君!』です。原作は庄司陽子さんの『生徒諸君!教師編』ですが、そんなことも知らずに、内山理名さんが出るそうな、という感じで見始めました。結論から言うと、後半はかなり感動しましたが、最初の頃は重いテーマにあわない軽いノリのテンションについて行けず、戸惑いました。訴えたいメッセージは強く伝わってくるのですが、ストーリーの強引さと、内山さん演じる北城尚子の不自然なキャラクターに首を傾げてしまいました(ちなみに内山理名さんは好きです。演技ではなく人格設定が今ひとつ馴染めなかったのです)。善意に解釈すれば、あまりに暗いと視聴者が辛くなるから、という製作者の配慮なのでしょうか。しかし、現実は視聴率が伸び悩んでいたようで、一体どうなることかと思いながら見ていました。
 そんな中、生徒達の演技には非常に共感するところが多かったです。大人に対する不信がなぜ起きたのか、次第に明らかになるのですが、このようなことが大なり小なり現実に起きているのだろうなあ、と思うと何ともいえない気持ちになりました。そこを、北城尚子が持ち前の明るさ(と無謀さ)で子どもたちの心を開かせようと奮闘します。「今度の先生は今までと違う」と揺らいでゆく生徒達の心の葛藤が見どころだと思います。引きこもりを克服する白井直輝(若葉竜也さん)や、北城とのバスケの勝負を機に人間的に大きく成長する木下薫(岡田将生さん)など、生徒一人一人が輝いていたと思います。そして圧巻だったのは、樹村珠里亜役の堀北真希さんの演技力でした。「あんたなんて生まれてこなければ良かったのよ」と、伯母から、これ以上人を傷つける言葉はない罵りを浴びせられながら、母に「私のことを生んでくれて有難うね」と言うシーンは涙を禁じ得ませんでした。それまで特にファンというわけではありませんでしたが、今回最も印象に残ったのが堀北真希さんでした(あと岡田さん)。人間にとって、存在意義を奪われること以上に辛いことはないのだとよく分かりました。いわゆるトラウマよりも恐ろしい、苦悩の根元なのではないでしょうか。  最終回の、1対多のドッジボールの場面、そして「俺達にもう、あんたはいらない」の台詞が、第1話と重なる演出は、ありがちながらも、生徒の成長がうまく表現されていて良かったです。
 中学生といえば子供でもあり、同時に大人の一面も持った複雑な時期です。「子供だから」と思って油断していると、大人の欺瞞を鋭く見抜かれ、些細なことで信頼を失ってしまうことでしょう。接し方に気をつけねばと思います。明橋大二氏の『10代からの子育てハッピーアドバイス』から「子どもを非行や犯罪から最後に守るのは、ルールやしつけではなく、親から大切にしてもらったことから、自然と出てくる、「この親を裏切れない」という心です」という言葉を思い起こさずにおれませんでした。
 最後に、音楽ですが、YUI さんの「My Generation」が効果的に使われていたと思います。楽曲的にはヴォーカルよりもギターの方が好きですね。特にイントロ。
YUI My Generation / Understand
↑ あ、Understand はドラマとは関係ありません。


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